父ちゃんの観察日記(2002)

2001年の秋、栗の季節に我が家にやって来た「くり」の日常を、
アメリカンフットボールで養った鋭い観察力(?)で追います。

【2002.12.24】 いとしの“くり”
 日曜日の夕方、TVで動物救急病院の特集を放送していた。この中で16歳になるチワワが肺の病気で運ばれてきて、最後は老衰もあり息を引き取ってしまうシーンが放送された。このシーンを観ていて思わず涙が出てきてしまった。飼い主の女性は3歳の時から16年間一緒に暮らしてきた愛犬の死がどんなに悲しかっただろうと。

 “くり”を飼い始めた時から、実は“くり”の最後の時のことをもう私は考えていた。上手く生きて僅か15年の命。私が43歳の時に飼い始めた訳だからだから、会社を定年になる頃にもう“くり”は居なくなってしまっているはずだ。このTVの放送を観る前にも「“くり”がいなくなったらどんなに悲しいんだろう」と考えていた。

 もし、自分に子供があったとして、僅か15年の命だと宣告されたらどんな気持ちだろう。普通、人間の場合は親が先に死に、子供が後に残る。それが、子供の方が先に死んでしまうと宣告されたらどんなに悲しいだろう。犬を飼うということは、つまり、そういうことなんだなと思った。

 そんな風に思うと、“くり”の愛くるしい表情を見ていて、もう愛しくて愛しくてたまらなくなってしまう。時々わがままを言ってもいい。たまにウンチを食べちゃったっていい。いきなりガウガウになっちゃったって良い。もう何でも許しちゃおうかと思ってしまう。

 “くり”は人間で言えばもう20歳くらいの女盛りになってきた。そして、あと3年もすれば我々夫婦と同じ様な年代になり、やがて我々より先に老いていく。そんな“くり”が事故や病気で天寿をまっとう出来ないようにだけはしたくない。出来ることなら、老衰で最後は私たちの顔をウルウルした目で見つめた後、静かに眠っていくような一生を送らせてあげたい。

 まだまだ、“くり”は若くて気の早い話かもしれない。でも、今からそんな気持ちで“くり”のことを見守ってあげたい。でも、だからと言って、食べ物だけはあげ過ぎないからね。レディは何たってスタイルが大事なんだから。分かった? “くり”。

【2002.12.12】 ドームハウス
 会社から帰ってきて部屋に入ると“くり”はドームハウスに入っている。「なんか、悪いことした?」と嫁さんに尋ねると、「靴下を持っていってしまった」という返事が返ってきた。そうか、やっぱり“くり”は何か良からぬことをしていた訳だ。

 前にブラジャーの時もそうだったが、“くり”は何か怒られるような事をした時必ずドームハウスの中に入る。だからドームハウスに入った時は、何かまた変なもの持ち込んだなと警戒する。そして、一度持ち込んだらちょっとやそっとでは返してくれない。ドームハウスは後ろから攻められることが無いから、“くり”も安心して篭城出来る訳だ。

 それともうひとつ“くり”がドームハウスに入る場合がある。それは誰も遊んでくれなくていじけた時。嫁さんが寝てしまった後、パソコンに向かっている私の足元に来て、膝に乗せろと二本足で立ち上がるときがある。大体は膝の上に乗せてあげ、腹の中に入れてあげるのだが、時々無視したりする。すると、嫁さんのベッドに行くのでもなく、仕方無しにドームハウスの中でいじけていたりする。

 そんな訳で、一度ドームハウスに入るとなかなか出てこない“くり”だが、出すのは簡単。ハウスの前でボーロちゃんの入れ物をカラカラカラと振ってやるだけ。そうすれば、怒っていようが、いじけていようが、直ぐにシッポを振りながら飛び出してくる。

 そういえば昔、信号で止まった前の車から降りてきたお兄さんに、「菓子パン、食べない?」と誘われて、サーフィンに行った後一緒に飲みに行ってしまった女性を知っている。“くり”を観ていると、やっぱり飼い主に似るのかなと思ってしまうのだ(しまった、アンパンに釣られた女性が誰だか分かってしまう)。やっぱり女の子は食べ物に弱い。

【2002.12.4】 月曜日のお散歩
 月曜日にちょいと半日休暇をとったので、嫁さんを歯医者に送っていった。歯医者は家からほんの3kmくらい。歯医者まで行ったら、近くの道で私が“くり”を散歩させ、あとは車に乗って帰ることにしていた。嫁さんは運動不足だから歯医者が終わったあと家まで歩いて帰るという予定だった。

 駐車場に車を止めて嫁さんは歯医者に入っていった。“くり”は嫁さんの後姿を見ながら「フン、フン、フン」と寂しそうに鳴いている。「さあ、散歩だよ」と言って駐車場から出そうとするのだが“くり”は一歩も動かない。

 仕方ないから抱き上げてしばらく歩き道路に降ろした。“くり”はしょうがなく歩き出すのだが、ちょっと行くと後ろを振り返り固まってしまう。仕方ないからまた少し抱いたまま歩き、道路に降ろすのだが、草むらでオシッコをした後は固まって動かない。

 「もう、あとでおか〜さんのところへ連れてってあげるから」と言いながら、もう少し遠くまで“くり”を抱えていったのだが、どうしても動こうとしない。歯医者からは500mくらいは来ていただろうか。リードを思いっきり引っ張って何とか散歩に出ようとするのだが、“くり”はどうしても後ろを向いてしまう。

 さすがに根負けして「わかった。はいわかりましたよ」と言って歯医者のほうに向かうと、“くり”はスタコラ、スタコラ歩くこと。あっという間に歯医者についてしまった。歯医者についても落ち着かない“くり”を観て、入り口付近で待っているとしばらくして嫁さんが出てきた。もう、その時の“くり”の嬉しそうなことったら、ありゃしない。

 そんな訳で予定を変更し、嫁さんが家まで歩いて帰ることにし、私は車に乗って駐車場を出た。ちょっと走って二人が歩いてくるのを恨めしそうに見ていると、“くり”はまた固まってしまった。

 今度は車に乗りたいらしい。もう、わがままなヤツだ。どうも夫婦でいると、どちらか一方がいなくても“くり”は嫌みたいなのだ。それに加え、車に乗るのが大好きと来ている。

 バカモノと思いながらも、「俺とも一緒にいたいんだ。フフフッ」と思いながら、我々は家に帰った。そして近所の散歩コースを3人で散歩した。駄々をこねて困るけど、やっぱり“くり”は可愛い。もう、ダメ。

【2002.11.27】 ハウス2
 “くり”はここのところとても良い子になって、嫁さんのベットの中で寝ていても大概の時間になると起きてくる。そしてパソコンに向かっている私をジッと見つめる。

 そうか、“くり”、ハウスだな。私は立ち上がって「“くり”ハウスだよ〜」と言う。すると“くり”はそそくさとケージに入り、中にある小屋の前でお座りをしながら私をジッと見つめる。そう、アイフルのあのチワワのように。

 何てことは無い、“くり”はボーロちゃんを待っているのだ。ケージに入れるためにボーロちゃんでおびき出していた癖がどうしても抜けなくて、“くり”は必ず寝る前にボーロちゃんをひとつ貰えると思っている。

 一度、ケージに入ってしまったからそのまま寝かせようかと思った事があるのだが、“くり”はジーっとこちらを見続け寝ようとはしない。まあ、無視してこちらも寝てしまえば良いんだろうけど、やっぱりあの目を見た私はくじけてしまった。

 「わかった。わかったよ。ボーロちゃんあげれば良いんでしょ、あげれば」と言ってボーロちゃんをあげてしまう私。一粒のボーロちゃんをハグハグ言いながら食べ終わると、“くり”はさっと丸まって寝る体勢に入る。その変わり身の速さといったら、嫁さんもかなわない。

 たまに、なかなか嫁さんのベットから出てこない時があるのだがそんな時は「“くり”ハウス、ハウスだよ」なんて言っても出てこない。そんな時はボーロちゃんが入っているケースを持っていってカラカラカラっと振ってやる。

 すると、もう、その音を聞いた途端に、ベットの中の何処にいようと大急ぎで“くり”は出てくる。そこですかさず「ハウス」というと、寝ぼけ眼で“くり”はケージに向かってすっ飛んでいく。とにかく“くり”は眠っていても食い意地には勝てないのだ。

 そんな訳で、もう、半分眠ったような状態でボーロちゃんを食べたあと、“くり”は眠りにつく。そして、その寝姿からは満足のオーラが出ている。

【2002.11.16】 「お座り」と「伏せ」
 ここ3ヶ月くらいだろうか。毎日のように夜の9時前後にボーロちゃんを使って「お座り」と「伏せ」を練習してきた。その甲斐あってか最近では“くり”もやっと「お座り」も「伏せ」もできるようになった。

 といっても、食べ物にあさましい“くり”のこと、「お座り」しててもジッとしている事が出来ない。目線は完全にボーロちゃん一点に集中し、腰を浮かせ気味にシッポは見えないくらいに振っている。

 わざと「待て」と言って鼻の前にボーロちゃんを持っていくと、ボーロちゃんを食べられない辛さに絶えられなくなり、目を背けてしまう。まあ、その時の“くり”の様子といったら、毎晩見ていても笑える。まったくあんたはどうしてそう食べ物にあさましいの。

 そして次は「伏せ」。これは5月25日に書いた、股の下を潜り抜けることから進歩して、「お座り」から「伏せ」に移る事が出来るようになった。確かに、「なった」のだが、その「伏せ」もまた、あさましいったらありゃしない。

 とりあえず「伏せ」をするのだが、後ろ足は横に開き気味で腰は浮き加減。さらに、これまたシッポを力一杯振りながら、ボーロちゃんをひたすら待っている。そしてちょっと焦らしてやると、またもやほふく前進を始める始末。

 まっ、「伏せ」と言えば確かに「伏せ」なのだが、いわゆる落ち着いた「伏せ」ではなく、雑誌で言うところの「悪い伏せ」なのだ。

 まあ、それでも、何とか「お座り」や「伏せ」くらい出来るようにと、夜の訓練は大体ボーロちゃんを4つか5つ用意して、「お座り」と「伏せ」を繰り返している。

 ところが、そのうちに“くり”はボーロちゃん欲しさに訳が分からなくなってきて、「お座り」していて「待て」と言ったら「伏せ」をしちゃったりする。そして、当然のことながら、ジーッとボーロちゃんを見つめ、シッポは目一杯振っている。

 この状態は実は1ヶ月以上前から続いていて、一向に進歩の気配がない。何とか、ピタッと「お座り」と「伏せ」くらいできるようになりたいのだが、どうも永久に出来そうもない。

 そういえば私も、結婚以来「貧乏揺すりを直せ」と嫁さんに言われ続けてもう直ぐ15年になる。“くり”の落ち着きのなさを、つべこべ言えたもんじゃないかな。

【2002.10.20】 公園
 “くり”は公園が大好き。車から降りて歩き出すと直ぐに、走りたくて仕方なくなっちゃう。そうなると“くり”はもうどうしようもなくなり、リードを引っ張りながら後ろを振り向き、「アンッ、アンッ」と飛び跳ねながら吠える。

 よく行く蓮華寺池公園では駐車場に止めて、公園の中を歩き出すと直ぐに吠えるもんだから、散歩道を一緒に走ったり、嫁さんと私が離れて座り、二人の間を走らせる。ちょっと前までは、公園の中ほどにある野外ステージ前の広場がドックランの場所だったが、最近では駐車場近くにある郷土資料館横の芝生広場がドッグランの場所になった。

 “くり”は広場の隅っこでまずは用を足した後(歩きながらやるのは、みっともないから勘弁して欲しい)、大喜びで走り回る。いつ行っても同じ様に嬉しそうなのは変わらないのだが、ついついこちらも嬉しくなって、いつでも走っている写真を撮ってしまう。

 昨日の吉田公園でも、車を降りたら直ぐに吠え出した。でも、奥の芝生広場まで我慢。だって、吉田公園には野球場が2つ位入る大きな芝生の広場があるんだから、こっちで走る方が気持ち良いに決まっている。大急ぎで芝生広場まで行ったら、後はノーリード。昨日は人が少なかったから、公園にいた2時間以上ずっとノーリードで自由に動き回っていた。

 私たち夫婦が座っているところから目の届く範囲を、あっちへ行ったりこっちへ行ったりずっとウロウロ。他所を向いているうちにこっそり私たちが隠れようとすると、慌てて飛んでくるのがまた可愛い(昨日は岩の陰でこそっとウンチしていたが)。

 私たちが歩けばずっと付いて来て、急に走ったりすると嬉しそうに走り出す“くり”。最近はとにかく“くり”が走ることの出来る芝生の広場がある所へ行くのが楽しみになってしまった。“くり”と一緒に公園で走ることが出来る週末がいつも待ち遠しい。

【2002.10.11】 シーズン
 “くり”の2回目のシーズンがそろそろ終わろうとしている。始まったのは9月29日。初めてのシーズンが3月29日から始まったから、まるで計ったかのように半年後にやってきた。それというのも、2度の食事をしっかりと取り、散歩にも出かけ、また、ストレスも無く伸び伸びと暮らしていた賜物だろう。“くり”、私たちに感謝しなさいよ。

 と、そんなことはさておき、2回目のシーズンは1回目よりちょっと違っていた。1回目の時は食欲も無くなり怒りっぽくなってどうしたんだろう、と思っていたらシーズンになってしまったが、今回は食欲もあり、怒りっぽくも無かった。さらに一番違っていたのは、妙にテンションが高いことだ。朝起きてから一日中ずっと嬉しい状態が続き、嫁さんは血が出てくるほど鼻の奥を舐められている。

 それからマウンティングも凄い。我が家で自分より身分の低いクッキーモンスターのぬいぐるみを相手に、暇さえあればマウンティングをしている。その仕草といったら、とても、その、何と言うか。言葉に表すことが出来ません・・・・・。

 それにもうひとつ困ったことがある。それはマーキング。2階ではしないのだが、1階に下りると、あっちへ行ってはちょこっと、こっちへ行ってはちょこっとと、オシッコをしまくる。大体、嫁さんが叱りながら床を拭いている目の前でしてしまうのだから。それも、片足を上げて(男かお前は)。

 もっと困ったことは、嫁さんのベッドでオシッコをしてしまうこと。今までベッドの上で気持ち良さそうに寝ていることはあっても、オシッコは絶対にしなかった。それが、シーズンになったら3回もやってしまった。今、“くり”には寝室立ち入り禁止令が発令されている。

 あとは、シーズンが終わったら、マーキングやベッドでのオシッコが無くなる様に祈るばかりだ。“くり”、片足上げてオシッコするくらいは許すから、トイレでやってね。少しくらいこぼしても構わないから。

【2002.9.26】 ブラジャー
 “くり”は取り込んだばかりの洗濯物が大好きで、洗濯物の中で転げまわる。そして、沢山ある洗濯物の中から嫁さんのブラジャーを探し出して、ドームハウスの中に持ち込んでしまう。そうなると大変で、引っ張っても決してブラジャーを離そうとはしない。ブラジャーを取り返すためにはボーロちゃんの入れ物を振って「カラ、カラ、カラ」と音を出し、“くり”をお菓子に集中させるしかない。

 最近では嫁さんが次の朝着る服と一緒にカゴの中に入れておくと、知らぬ間にそこからブラジャーを引っ張り出すようになってしまった。嫁さんは仕方なしにカゴの一番下にブラジャーを仕舞い込んだのだが、どうしてそこにあるのが分かるのか、一番下までかき分けてブラジャーを探し出す。

 その他にも嫁さんのパンツが好きで、これもドームハウスの中に運び込んだりする。ある時は私のパンツまで持ってきて噛もうとしたのだが、そのまま置いてしまったらしい。「あんたのパンツは嫌いだって」と嫁さんに思いっきり笑われてしまった(ふん、うるさいワイ)。

 そんな訳で、“くり”と嫁さんは、ブラジャーを獲った、獲られたで毎日大騒ぎしている。今日も先程、嫁さんと“くり”のブラジャーバトルがあり、“くり”はまんまとボーロちゃんを1個せしめた。

 “くり”はどうしてそんなにブラジャーが好きなのだろうか。ひょっとして、嫁さんの香りが染み付いているからか。するってえと、私のパンツは何なの。私の匂いは嫌だってことになるじゃないか。馬鹿もん。それとも、ひょっとしてブラジャーをしてみたいのだろうか。でもなあ、乳首が8つもあるブラジャーなんて、想像しただけでも吹き出してしまう。プッ・・・。

【2002.9.21】 掃除機
 “くり”にとっては、物心がついて初めての夏が終わった。今年の夏は暑かったけど、“くり”は結構平気みたいだった。せっかく買ってきた冷たいプレートに乗ろうともせず、ソファアの上に置きっ放しになった毛糸のセーターの上で相変わらず寝そべっていた。それでも、部屋の温度が37度を越した日はさすがに暑かったらしい。もっともそんな暑さの中にいた、嫁さんも嫁さんだが。

 さて、夏と言えば花火に雷。世の中の犬はよく花火や雷が鳴ると、慌てて尻尾を丸めてビビルという話を聞く。嫁さんの実家で昔飼っていた“ポチ”は、雷が鳴ると戸を勝手に開け家の中に飛び込んで来て、押入れの中に隠れていたと言う。しかしながら、“くり”は花火も雷もまったく平気だった。ドッカーンという音がしようが、ゴロゴロゴロッという音がしようがまったくお構いなし。平気の平ちゃんだった。

 がしかし、“くり”にも怖いものがある。それは掃除機。2階に掃除機を持ってくるだけで、スイッチを入れる前から何処かに消えてしまう。で、リビングを掃除をしている間、何処に居るかといえば大体は寝室のベッドの下で尻尾を丸めて小さくなっている。そして、寝室の掃除を始めると慌ててリビングに逃げ出し、今度はソファアの下で丸くなっている。

 そして、掃除が終わっても“くり”は中々出て来ようとはしない。「くり、掃除終わったよ。出てきな」といってもジッと隠れている。そんな時はしょうがないから、ボーロちゃんが入ったケースをカラカラと振ってやる。すると、ボーロちゃんに目が無い“くり”は、時には鼻の頭にほこりをつけながら、もそもそと現れる。

 ちょっと前に、1階のキッチンでふりかけをこぼしてしまい、急に掃除を始めた時には面白かった。普通、朝ご飯の時に掃除なんてしないものだから、のんびりしていた“くり”は、慌てふためいて和室に逃げ込んだ。

 しかし、和室にはソファアの下のような逃げ込むところは無い。「1階で掃除に遭遇したのは初めてだけど、どこで丸くなっているのやら」と思いながら部屋の中を探したのだが、どこにも“くり”はいない。

 「おっかしいなあ、逃げ込むところは無いはずなのに、どこ行っちゃったのかなあ」と考えながら、ひょっとしたらと思って、ビニールロッカーの下の僅かな隙間を見たら、いたいた、いました。小さ〜くなっている“くり”が。

 嫁さんと二人で「よくもまあ、こんな隙間に入ったなあ」と笑いながら、“くり”を呼ぶのだが出て来ようとはしない。“くり”はビニールロッカーの下で、完璧に固まっちゃっているのだ。

 こうなるとしょうがない。最後は必殺技だ。「くり、お菓子、お菓子」と一言。そうすると、尻尾を振りながら慌てて飛び出してくる“くり”。“くり”、お前今まで固まってたんだろっ。お前ってヤツはまったく・・・・・。嫁さんと同じだな。

【2002.9.4】 鼻水舐め舐め攻撃
 夕食が終わって、リビングでゴロリと横になると“くり”はすかさずやってくる。そして、まずは読もうとする新聞の上に乗って邪魔をしようとする。で、「えい、どかんかい」なんて言うと今度は喜んで顔の前までやって来て、いきなり鼻水舐め舐めを始めてしまう。

 まず、“くり”は片方の鼻の穴の付近をなめた後、鼻の奥まで舌を突っ込んでくる。そして、鼻水が枯れてしまうまでしっかりとなめる。一方の穴が終わると、今度はもう一方の穴に取り掛かる。こっちも最後までなめ尽くすと、もう一度最初の穴に戻ってきたりと、黙っていたらズーッと鼻の穴をなめられていそうなので、この辺で“くり”を遠ざける。

 そうすると、さすがに“くり”も満足したのか、嫁さんの方へ行ってくつろぐ。たまに嫁さんの鼻の穴も舐めているが、鼻の穴が小さくて舌を入れにくいのか、はたまた、私の鼻水の方が美味しいのか、どうも私の鼻水の方が好きみたいだ。

 この鼻水舐め舐め攻撃は、家にいる時に限らない。公園に行って一休みした時も、ちょっと隙を見せるとすかさず顔に飛んでくる。そして、ところ構わず始まってしまう。

 それも、公園で休んでいる時ならまだ良い。たまらないのは車の運転中だ。助手席で嫁さんの膝の上でくつろいでいると思って安心していると、いきなり運転している私の膝の上に乗り、立ち上がって鼻を舐め始める。

 こっちは車を運転しているから手を離せない。かといって、“くり”は両方の鼻を舐め終わるまで止めない。もう視界に“くり”の耳が入ってくるのだから、危なくて仕方ない。背伸び状態で前方を確認しながら運転を続ける。対向車から見たら、なんちゅう光景に映るだろうか。“くり”お願いだから運転中だけは鼻水舐め舐めは止めてくれい。

 春になると、私は毎年鼻炎に悩まされる。そうしたら、ティッシュの代わりに“くり”を会社に連れて行くか、なんて馬鹿な話しをしていた。“くり”、春になったら、げっぷが出るほど鼻水舐めさせてやるからな。

【2002.8.22】 誕生日
 “くり”は今日、満1歳になった。我が家にやってきたのが昨年の10月6日。生後ちょうど45日目のことだった。早いものであれからもう10ヶ月半も経ったことになる。家に来たばかりの頃は800g位だったのに今では2.2kg。胴体もすっかり長くなってしまった。

 初めの頃はオロオロしていた“くり”も、今ではいい娘になって家の中を暴れまわっている(それって、ただのオテンバ?)。それでも、“くり”は時々、何とも言えない色っぽい表情でこちらを見つめる。もう、横座りしてジッとこちらを見つめるその眼差しにはどんな男もかなわない。

 ついつい、「“くり”さん、よし、よし〜っ」と言いながら、頬擦りせずにはいられなくなってしまう。そして、頭の上を指で掻いてやると、気持ち良さそうにうっとりとした表情をする。それがまた、可愛いのだ(親ばか?)。で、私も写真みたいな垂れ目の表情になってしまう。

 この子が家にやって来て本当によかった。心は癒され、何となく優しくなったような気がする(会社の部下はそう思ってないだろうが)。嫁さんの表情も“くり”がやって来てからというものの、ものすごく豊かになり、夫婦喧嘩も減った。彼女は我が家に舞い降りた天使に違いない。

【2002.8.16】 体調不良
 今日の午前中、仕事で外に出ている時急にお腹が痛くなり、近くにあった磐田市役所のトイレに駆け込んでしまった。なにが原因だったのかは分からないがお腹が下ってしまい、今日1日気持ち悪かった。

 そんなこともあり、今日の夕食は軽くしてもらおうと嫁さんにメールを出したのだが、嫁さんから返って来たメールには、“くり”も昼過ぎにゲロしてしまったとのこと。そのメールを読んで“くり”がとっても心配になってしまったのだが、その後“くり”はボーロちゃんを欲しがって食べたというのを聞いて一安心。

 家に帰って話を聞くと、いきなりカーペットの上でゲロを吐き、その始末を終えて2階に上がってくると、今度は嫁さんのベッドの上でタオルケットにまたゲロを吐いたりと、大変だったみたいだ。

 そして、“くり”もゲロを吐いた後はとっても苦しそうで、目に一杯涙を溜めていたらしい。それでも、晩飯はしっかり食べたらしく、いつもの様に元気に走りまわっている姿を見て、ヤレヤレ。

 ところが私が夕食を食べた後、今度は嫁さんが「お腹が痛い」と言い出した。結果は嫁さんも下り特急列車。そんな訳で、我々夫婦は下痢するは、“くり”はゲロを吐くはで大変な1日でした。

 今年の夏は暑い日が続く。そろそろ、夏の疲れが出てきたかな。もっとも、“くり”は新聞紙を食べてしまったからかもしれないが。“くり”、ティッシュと新聞紙は食べるんじゃないよ。ゲロ吐くだけでなく、ウンチが紙でお尻の穴に変な風に繋がって大変なんだから。

【2002.8.4】 ハウス
 名刺の話よりも今回はハウスについて書いちゃおう。我が家では私が遅くまでパソコンをやっているので、嫁さんは10時頃にはベッドの上で横になる。すると、それまでソファアの隅で丸くなって寝ていた“くり”は、置いて行かれちゃ大変と、直ぐに嫁さんのベットに向かう(前はソファアの上にずっといたのだが)。

 そして、嫁さんは何時の間にか“くり”とともに、うつらうつらしてしまう。しかし、我が家では“くりを”ケージの中で寝かせることにしており、私は風呂に入る前に“くり”をケージに入れなければならない(躾という理由の他に、寝相の悪い嫁さんの下敷きになって、“くり”にもしものことがあってはいけないという事情もある)。

 ところが、前にも書いたとおり眠っている“くり”を無理やり起こそうとすると直ぐに「ガウッガウッ」になってしまい、下手をすると手を噛まれてしまう。そこで、私は何とかならないかと考えたあげく、良い方法を考え出した。

 それは、“くり”が「お菓子」という言葉に異常に反応するということ。試しに、ベッドの所へ行って「“くり”、お菓子、お菓子だよ」と何回か言ってみた。すると、“くり”は今まで眠っていたくせに、何だか訳の分からないままにベットから飛び降り、私の後についてくる。そこで、私は“くり”を捕まえてケージに入れるようにした。

 でも、これじゃあ“くり”を騙しているようで少し可哀想だ。と言うことで、「お菓子、ハウス」と言うようにして、ケージに入れれたらボーロちゃんをあげるようにした。そうしている内に“くり”は「お菓子、ハウス、ハウス」と言うと、寝ぼけまなこでケージに入るようになった。そこで私は「良い子だね、はい、ボーロちゃん」と言って、ケージに入った“くり”にボーロちゃんをあげることにした。と、そんな訳で、“くり”はついに「ハウス」が出来るようになった。

 ところで、“くり”はベットからケージに向かう時、そこに何があろうがお構いなしに真っ直ぐにやって来る。すると、嫁さんの腹の当たりで横になっている“くり”は毎夜のように、ケージ側に頭を向けて横になっている嫁さんの顔を踏んずけてくることになる。“くり”に踏まれた嫁さんは毎晩のように「ギャッ」という叫び声と共に目を覚まし、トイレで用を足してから深い眠りに入って行く。

 さて、“くり”を寝かしつけるかな。フフフッ。

【2002.7.11】 デパート
 この間の土曜日、丸井の西館にあるスターバックスの外でコーヒーを飲んだ後、嫁さんが「サンダルを見たい」と言いだした。でも、“くり”を連れている。どうしようかと思い、丸井の警備員に聞いてみた。「あの〜、犬を連れて入っても良いですか?」

 警備員はちょっと確認しますと言って無線で警備室と連絡を取ってくれた。「ハイ、他の人に迷惑が掛からないようにすれば良いんですね。分かりました」

 横で聞いていて、バックの中に入れれば問題のないことが直ぐに分かった。私と嫁さんは喜んで“くり”をバックに詰め、丸井の西館に入った。丸井はバーゲンの初日でかなりの賑わい。そんな中、“くり”の入ったバックを担いだ私は嫁さんの後をウロウロ。

 最初のうちは誰も“くり”の存在に気づかなかったのだが、しばらくすると「えっ、可愛い〜」という女性の声が時々聞こえる。その内に店員さんも“くり”を見つけ、撫でたり、触ったりしている。実際は、“くり”が可愛いのだけれど、自意識過剰の私は何だかとっても嬉しい気持ちになってしまう。

 これに味を占めたわけではないが、翌日の日曜日は伊勢丹のハンドバック売り場に行ってしまった。今度はもっと反応が早い。犬好きだという女性店員がいきなり近寄って来て、“くり”を撫で始める。嫁さんはバックを見ているので仕方なく(いや、嬉しそうに)私は店員とお話しを始めてしまった。

 「う〜ん、いいなあ。若い女性と話すなんて、飲み屋のおネエさんか、会社の部下位のもんだもんなあ」ってな具合で私はとっても幸せな気分になってしまった。私はすかさず、この話を嫁さんにし、「また、デパートに行こうぜ」と言ってしまった。

 そういえば昔、まだ20代の頃、東京のアメリカンフットボールのチームに1年間いた頃、あるメンバーが「サーフィンを見に犬を連れていくと、おネエちゃんが釣れる」と言っていたのを思い出す。確かに彼の言っていたことは正しい。

 デパートの靴やバック売り場には若い女性が一杯だ。オヤジがひとりでこんなところに犬を連れて出没したら怪しまれるが、嫁さんのお供なら何もおかしくはない。いい手を見つけたもんだ。若い女性とお話しするために、これからもデパートに行こうっと。“くり”の名刺も作ったしね(このお話しは次回に)。

【2002.6.30】 ”くり”が鳴く時
 ”くり”はほとんど鳴かない。だから時々姿が見えなくなった時などは、何処へいったのか全く分からなくなってしまう。そんな時は「オッ」とか「お菓子」とか言って呼び出すしかない。すると、カサカサカサッと爪の音を発てて、何処からともなく現れたりする(時にはソファアの下から、鼻の頭にホコリを付けながら出て来たりする)。

 家の中で鳴く時と言えば、私と嫁さんの姿が見えなくなった時。そんな時は「ヒーン、ヒーン」といって悲しそうに鳴く。そして、我々のどちらかが現れると、腰を振り振りもう嬉しくてたまらない状態になる。

 この他に家の中で鳴く時は「ガウ、ガウ」になっちゃう時。”くり”は夜9時を過ぎてソファアや嫁さんのTシャツの中で寝ている時に、ちょいと構おうものなら「ガウガウッ」になって、下手をすると手を噛まれてしまう。私は頭に来るから、こんな時直ぐに怒って、口を塞いだり、押さえつけたりするのだが、一向に効き目がない。嫁さん曰く「眠たい時に邪魔されたら、誰でも嫌じゃん」。確かにそりゃあそうだけど、噛むことはないよな、噛むことは。

 で、もうひとつ犬らしく「ワンワン」と吼える時がひとつだけある。それは散歩に出た時。Photo Diaryにもある通り、”くり”は走るのが大好き。散歩に出ると直ぐにリードをグイグイ引っ張る(うん、これって躾できてないよな)。

 そんな時に知らん顔をしていると”くり”は後ろを振り向き「走ろうよう」という顔をする。それでも、こちらが走り出さないと、ピョンピョン跳ねながら「アン、アン(そう、ワンワンではない)」と吼えて走り出そうとする。そうなるともう仕方ないので、こちらも走らざるを得ない。

 と、こんな状況が毎日の様に続く訳だから、嫁さんは毎日”くり”と走っている。あちこちでチワワの散歩をよく見かけるが、どの子も飼い主の横をチョロチョロと歩いている。なのに”くり”はリードを引っ張り、走りまくる(まあ、しばらく走れば気が済んで、歩き出すけれど)。

 最初の頃、”くり”が走る姿が面白くて良く走ったのだが、こんなに走るのが好きな子になるとは思わなかった。育て方を間違えてしまったかなあ〜。でも、”くり”が走って来る姿って可愛くてとっても好きなんだよなあ。それに、体も締まっているし、まっ、いいかあ。

【2002.6.15】 ニッポン、チャチャチャッ
 ぴーちんさんやらスーママさんがBBSに貼りつけてくれた日本代表のユニフォームがなんとなく気になっていた。そこへ、ゆりなさんのレス。このサイトを見て会社から嫁さんに「Tシャツ5000円、合羽が7800円、高いネエ、どうする」と電話をしてしまった私。

 さらに、スーママさんの「あと、日本代表が寄宿している近くのメディアセンター内でも売ってましたよ♪」というレスが決定的な引き金となった私達は、日本代表が決勝トーナメント進出を決めた翌日の今日、早速JAMPS(メディアセンター)に出掛けた。

 とりあえず森町まで行けば何とかなるだろうと朝の9時に家を出発。メディアセンターに着いたのは11時少し前。メディアセンター付近にはまだかなりの人がいた(あとで、今日の記者会見は終わってしまっていたことを知ったが)。

 ちょっと、選手を見てみたい気はしたが、ハッキリ言ってそんなことはどうでも良い。早速、センター内にできた臨時のファミリー・マートに直行。「”くり”のTシャツは何処何処?(もう、”くり”のTシャツになっている)」

 と、探していると、あった、あった、ありました。レジの前にTシャツが。サイズはみんなSSで”くり”にぴったりのサイズ。「おっ、あったじゃん。いいじゃん、いいじゃん、買うか」と私。「えっ、ホントに買うの?」と嫁さん。嫁さんは私が本気で買うとは思っていなかったらしい。

 「当たり前じゃん。買うに決まってるらっ(静岡弁?)」と私は即答。そそくさとTシャツを買ったあとは、直ぐに袋から出して”くり”に着せた。おう、遅れ馳せながら、”くり”も日本代表の一員に。着せたあと嫁さんと2人で一言、「似合うじゃ〜ん」

 そんな訳で、昨日もし日本が負けて決勝トー舐めントに出られなかったら、今日は何処か別の所にいってたのだろうが、日本の快勝のおかげで楽しい(?)1日となりました。これって、観察日記じゃなくて、ただの日記だな。

【2002.6.7】 ”くり”の色気
 風呂から出てストレッチングをしていると、”くり”はやっぱり出たくなっちゃう。ケージの天井に頭がつくくらい精一杯体を伸ばして「出してくれコール」をしている”くり”を見ていると、もう出さない訳には行かない。

 昨日もストレッチをしながら思わず”くり”を出してしまった。ストレッチをやっている間は、邪魔だから知らん顔をしている。”くり”は仕方無しにソファアに上ったり、文机の下をウロウロしていた。時間が無い時はそのまま「ハイ、ねんねだヨお」と言ってケージに入れてしまうのだが、昨日はチョットだけ構ってやることにした。

 あぐらをかいた私の前にお座りした”くり”の体を、まず両手で撫でてあげた。”くり”は気持ち良いのか、耳を後に倒して静かにしている。何かとても可愛いので、私はおでこを”くり”のおでこに当てながら、体を撫でてやった。時々”くり”の鼻が私の鼻に当たって冷たい。

 今度はそのまま両手で首の横を摩ってあげた。ちょっとおでこを離してみると、”くり”は目を閉じ、うっとりした表情をしている。う〜ん、何か”くり”の表情が色っぽい。犬なのに何て色っぽいんだろう。何となくドキドキしてしまった私って一体?

 こんな話を今朝嫁さんにしたら、「あんた、変態か」と言われた。でも、何と言われても”くり”は可愛いだけでなく色っぽいのだ。私ってヘンなオヤジかなあ。

【2002.6.2】 犬嫌い
 昨日の土曜日、”くり”を連れて朝霧高原のField Dogs Gardenに行って来た。前の日があまり良い天気ではなく、地面が濡れているんじゃないかな、と心配したが、思ったより乾いていてホッとした。

 家を8時半に出て、コンビニに寄りながら行ったのだが10時ちょっと過ぎには着いてしまった。Dog Gardenにはまだ余り人がおらず、ちょっと不安になったけど、とりあえず入ってみることにした。入場料は”くり”が1000円、私達がひとり500円。

 早速、小型犬専用のDog Runに入った。中には先客のダックスがいたので奥の方の木陰で一休み。一度外の芝生スペースで昼食をとった後、再び小型犬専用のDog Runへ。今度は誰もいない。ここの所天気が悪く、散歩にも満足に行けなかった”くり”は良く走った。耳を後に倒しながら嬉しそうに駆け回る”くり”の顔は何時見ても面白い。

 しばらくしてから、大きいスペースのDog Runに入ってみた。中には先客の大きな犬達がいるが、離れているから”くり”も怖がらない。嫁さんの後や私の後をついて”くり”はここでも元気に走りまわった。

 そんな訳で、午前中は伸び伸びと走り回った”くり”だが、午後になって犬達が増えてくるとそうは行かなかった。他の犬達は”くり”に挨拶するために、お尻を嗅ぎに来るのだが、”くり”はこれをどうしても怖がってしまう。レトリバーのような大きな犬がゆっくりと来る場合はまだいいのだが、小さな犬が喜んで走って来たりすると、”くり”は「キャン、キャン」言いながら逃げ回ってしまう。

 おかげで午後はDog Runに入ってもほとんど嫁さんの膝の上。他の犬達は小さなチワワ(500g位しかなかった)でさえ、80kgもあるような大きな犬に平気で近づいて行くというのに。私達夫婦に対して完全な信頼を置いていてくれることは嬉しい。でも、こう犬嫌いも激しいと心配になってしまう。

 誰にでもホイホイ付いていってしまうのも困りものだが、もう少し他の犬とのコミュニケーションが取れるようになると良いのだが。なんてこと考えながらも、”くり”の得意技、上目遣いのウルウル光線を浴びると、「そんなこと、どうでもいいか」と思ってしまう、まったく親バカな父ちゃんでした。

【2002.5.25】 伏せ
 ”くり”はお座り以外のことが何も出来ない。まあ、散歩する時はそんなにリードを引っ張るわけでもなく、こちらが止まれば”くり”も止まって待っている。2階のトイレだって完璧だし、そう困った事は無いのだが、何となく「お手」とか「伏せ」とか出来て欲しい。

 躾の本を見ると、「伏せ」を覚えさせるには膝の下に潜らせて「伏せ」のポーズでお菓子を貰えるようにしながらやるといい、と書いてあったので早速取り組んでみた。

 最初の内”くり”は膝を飛び越してボーロちゃんを食べに来たのだが、何回かやっている内に膝の下を潜るようになった。その内に必ず膝の下を潜るようになったので、試しに膝を出さずにお座りの状態から「伏せ」と言ってボーロちゃんを見せたみた。しかし、何てことは無い。真っ直ぐに歩いてきて美味しそうにボーロちゃんを食べてしまった。

 そんな訳で未だに「伏せ」と言っても、膝の下に潜り込んでボーロちゃんを食べる状態から抜け出していない。まあその内「伏せ」を覚えるようになるかもしれないが、あの障害物競走のような情け無い食べ方だけは何とかならないものか。

 膝の下に挟まれたような格好で、尻尾を振り振り、ハグハグ言いながらボーロちゃんを食べる姿は、私の方向から見ていても情け無いやら、おかしいやら。ましてや嫁さんの方からは、膝の下に挟まれながら、足と尻尾をバタバタさせている姿にしか映らない。

 私達夫婦は「伏せ」の訓練をやる度、毎回の様に大笑いしている。「伏せ」を覚えてくれない方が面白くて良いかもしれない。

【2002.5.23】 マッサージ
 昨年、念願のマッサージチェアを買ったのだが、嫁さんはどうもサイズが上手く合わない。最近は”くり”との散歩のおかげで大分肩凝りは解消されたようなのだが、それでもたまに父ちゃんは嫁さんの肩を揉んであげる(会社で疲れているのに、なんて優しいんだろ)。

 ところが、このマッサージを”くり”がいるところでやると大変な事になってしまう。嫁さんの肩を揉んであげる時はいつも、うつ伏せに寝た上に乗って肩を揉む。すると”くり”は、私達2人が楽しい事を始めたのと勘違いして、「私も仲間に入れてよね」状態になってしまう。

 そして、うつ伏せになっている嫁さんの顔を舐めるは、体の下に潜り込もうとするはで、もうメチャクチャな状態になってしまう。そうなったらもうお終いで、潔くマッサージを止めるか、”くり”をケージの中に入れるかの2者選択しか無い。”くり”を退かして肩を揉むということは不可能なのだ。

 先日、久し振りに嫁さんの肩を揉もうとした。幸いに”くり”は寝室の羽毛布団の上で団子虫状態になっている。嫁さんと「”くり”に感づかれない様にしようぜ」と言いながら静かに肩を揉み始めた。ところが嫁さんはツボを押されると「痛っ」とか「ギャッ」とか声をあげてしまう。

 「こら、声出すな。”くり”に感づかれる」と小さな声で言ったのだがもう遅い。ガサッ(ベッドから床に下りた音)。「しまった」と思う間もなく、カサカサカサッ(爪が床に触れる音)。そして「わあー、来たあー」。その後は写真の通り。この日のマッサージはこの時点で終了してしまった。

【2002.5.15】 反抗期
 ”くり”は生理が終わってからどうも怒りっぽくなった。今まではソファアの上で寝ている時に体を触っても怒らなかったのが「うーっ」と唸り声を上げて手を噛んだりした。耳は後ろに行き、口をひくひくさせながら怒っているのがハッキリ分かった。生理のせいで怒りっぽくなったのか、それともどこかおかしいのか心配になって、一緒にフットボールをやっている飯田獣医さんに相談した。

 ちなみに、飯田先生はフットボールでセンターというポジションで、私はクォーターバック。フットボールの試合ではセンターからクォーターバックにボールが渡されてプレイが始まる。従って私はボールをもらうために、何時でも四つん這いになってセットした飯田先生のお尻に両手をあてがっている。私達はそういう仲なのだ。

 さて、”くり”の話だが、飯田先生によるとそれは紛れも無い反抗期だという事だ。8ヶ月くらいまでは母親に色々なことを教えられるのだが、それ以降は自我に目覚め、自分の地位を確立しようとするのだそうだ。従って、この時期に甘やかすと自分が家族の中で一番偉いと思い込むことから、ここは厳しく躾るように言われた。

 もし、「ガオーッ」と怒ったら止めるまで首を絞めるという方法もあるらしいのだが、”くり”はどうもこの方法は効かないと言った。「それじゃあ、完全に無視して下さい。目も合わせない様にし、お座りをして尻尾を振りながら、こちらを見ていたら遊んでやって下さい」と言われ、この方法でやってみる事にした。

 まず手始めに、今までは夜私が風呂に入るまでソファアの上で寝かしたが、嫁さんが寝る時にケージに入れるようにした。そして、「ガウ、ガウ」言ったりしたら、完璧に無視してやった。

 すると、それが効いたのか、それとも生理の後のイライラが直ったのかは分からないが、最近はまた良い子になってきた。そうなるとまたこれが可愛い。もう可愛いったらありゃしない。もう、遊んで欲しくてたまらない”くり”はお座りをしながら必死に尻尾を振っている。

 もう、嬉しくて嬉しくて、「ブギ、ブギ」豚鳴きしている。最近では「おっ」とか「なにっ」と言った語尾の上がった短い言葉に何故か反応するようになり、眠っていてもいきなり起き出して嬉しくなっちゃう。そんな”くり”に顔を舐められたり、鼻の穴の中を舐められたりしながら、我々夫婦は喜んでいる。まったく、親ばか。

【2002.5.6】 ビビリ屋の”くり”
 ”くり”は犬がまったく苦手だ。尻尾を振りながらフレンドリーに近寄ってきてくれても、尻尾をお尻の下に巻き込んでスゴスゴと逃げてしまう。犬同士のコミュニケーションが出来ないのにはまったく困ってしまう。

 ところが人間はまったく平気で、誰が近づいてきても怖がらない。ただ、子供は嫌いなようだ。子供はいきなり走って来たりするものだから驚いてしまうらしい。逆にお年寄りなどはゆっくり動いてくれるので好きみたいだ。昨日は、揺ったりと歩く坊さんに付いて行きそうになってしまった。”くり”はゆっくり動くものが好きなのだ。

 そんな”くり”が昨日、アメフトの練習にやってきた。練習の合間などにメンバーが”くり”に近づいてくるのだが、なぜか逃げてしまう。そんなにバタバタと走ってくるわけではないのにおかしいなあ、と思って考えた。

 そうか、”くり”は防具を付けてイカツイ格好をした選手達を人間だと思わないんだ。きっと”くり”は人間のようでもあり、人間でないような生き物達が何物か分からずにビビッてしまったに違いない。どうも、”くり”は初物に弱い。

【2002.4.28】 海苔
 ”くり”のご飯はユカヌバ(ラム&ライス)、おやつはボーロちゃん、クッキー、牛のアキレス、ガムなどで、私達の食べ物とは一線を隔している。そんな訳で私達夫婦がものを食べていても、そんなには欲しがらない。

 休日になると我々3人は車に乗ってあちこち出掛ける。”くり”が居ることからお店に入ってお昼を食べることが出来なくなり、お昼はコンビニでサンドイッチやお握りを買ってきて、公園や場合によっては駐車場で食べるようになった(”くり”が来る前とあまり変らないけど)。

 車の中でお昼を食べる時”くり”には後ろの席に行ってもらうのだが、袋を開けるガサガサという音がするとどうしても居ても立ってもいられなくなる。何か貰えるかもしれないと思って、座席の間から首を伸ばして来たり、座席をガリガリ引掻いたりする。

 ある時、あんまりうるさいものだから、お握りの端っこの海苔を破ってあげてみた。「こんなもん食べるかなあ」と思ったのだが、存外、”くり”は上顎に着いた海苔を必死に取りながら美味しそうに食べる。「へえ、”くり”って海苔好きなんだねえ」なんて暢気なことをその時言っていたのだが、それ以降大変なことになってしまった。

 車の中で食べる時はもちろんのこと、家で食べる時もお握りを見ると、尻尾は振るは、飛び跳ねるは大騒ぎするようになってしまった。他のものを食べている時も、ガサガサと音がすれば反応をするのだが、そんなに欲しがることはない。しかし、お握りだけは別で、袋を破ろうとした瞬間から大騒ぎになってしまう。

 海苔を食べるときの”くり”は本当に面白い。ハグハグ言いながら、必死で上顎にくっついた海苔と格闘している。そんなに慌てなくても良いのに慌てるものだから、もうバタバタしている。最近ではこんな”くり”を見るのが、お握りを買う時の楽しみになってしまった。

【2002.4.18】 お菓子
 ”くり”がひとつだけ出来ること。それはお座り。最初の頃何とか芸を覚えさせようとして、お菓子のボーロちゃんを餌に何度も教えた。そして、とりあえずお座りは出来るようになった。しかし、後は、伏せもお手も何も出来ない。何を言ってもお座りになってしまうのだ。そのお座りもとりあえず座っているのだが、腰は浮いてしまい、尻尾振り振り状態で、もう頭の中はボーロちゃんで一杯って状態だ。

 そしてもうひとつ困ったことがある。お座りを私が一生懸命教えたものだから、私が何か言うと直ぐにボーロちゃんをくれると思い、その辺を腰をくねらせながら飛び回った後、勝手にお座りをする。そして、目の中にはボーロちゃんが見える。

 さらに困ったことは、「お菓子」という単語を完璧に覚えてしまったことだ。うっかり「お菓子」なんて言ってみようものなら、”くり”は喜んでしまって、さあ大変。しょうがないからお座りをさせてボーロちゃんをやる羽目になる。

 今朝も会社に行く前にうっかりミスってしまった。服を着替えながら、嫁さんの足の間で変な格好していたものだから、「おかしな奴」とうっかり口を滑らせてしまった。すると”くり”はいきなり尻尾を振り出した。それを見てまたうっかり、「しまった、おかしいって言っちゃったっけ」ともう一度口を滑らせたものだから、”くり”はもうたまんない。

 仕方なしに、朝ご飯を食べたばかりの”くり”にお座りをさせる羽目になってしまった。”くり”はまったく賢い。ひとつの単語の中にある「おかし」という部分にまで反応してしまうのだ。まったく油断も隙もありゃしない。まったくおかしな奴だ。おっと、しまった。また”くり”が尻尾を振ってしまう。

【2002.4.14】 ”くり”の涙
 2階での躾はほぼ完璧だが、1階ではボロボロだということは前に書いた。最近シーズンになってから(もう終わった様だが)”くり”は2階でもそそうをするようになった。なんと、オーディオの前でウンチを垂れるのだ。

 でも、これは滅多に無いからまだいい(ちょっとここのところ多いが)。問題は1階だ。畳の部屋にあるキルトの上や、ダイニングにあるクッションの上、はたまた、お風呂場の横でと、オシッコをする場所が決まり始めてしまった。そして極めつけは、玄関にするウンチ。2階でウンチをしたから大丈夫だと思っていると、1階に連れてきてあっという間にウンチを垂れる。静かだなあ、何処へいったのかなあ、って時が危ない。

 昨日も私が朝食中で、嫁さんがちょっとトイレに入った時、「あれ、何処へいったのかなあ」と思って慌てて玄関を覗きに行くと、しっかりウンチとオシッコをセットでやっていた。トイレから出て来た嫁さんが「ケージへ入れちゃうか」と言って、何時も入り慣れない1階のケージに”くり”を入れた。

 すると、右の前足を上にあげた状態でケージに入った”くり”はその後ピクリとも動かない。食事中の私が「おい、”くり”固まっちゃったぜ。出してやれば」と言うと嫁さんは「いいだよ、そのままにしておけば」と取り合ってくれない。ご飯を食べながら時々”くり”を見ると、右足をあげた姿勢からピクリとも動かず固まってしまい、目はウルウルしている。

 しばらくして、洗物を終えた嫁さんが”くり”をケージから出して抱き上げてやった時、後姿の”くり”を見ると、髭に水滴がついている。「あれ、涙?」と思っていると、嫁さんが「”くり”涙一杯じゃん。あんた泣いてたの?おーっ、よしよし」と言って涙をぬぐった。そう、”くり”は泣いてた。

 ”くり”は本当にケージの中が怖かったんだ。そそうをして困った”くり”だが、怒られて泣き出しそうなそんな”くり”を見てまた可愛くなってしまった。でも、変なとこにウンチやらオシッコしてるとまたケージに入れちゃうからな。

【2002.4.7】 ”くり”にメロメロ
 ”くり”が我が家に来てちょうど半年が経った。来たばかりの頃は小さくて可愛いという感じだったが、最近ではその表情の可愛さに父さんはもうメロメロだ。

 朝食をとって2階に上がると、先に2階に上がった嫁さんとくつろいでいる”くり”が、私の顔を見た途端に体をくねらせながら近寄ってくる。もう、その嬉しそうな表情を見ると私はたまらなくなり、”くり”の顔に私の顔を思わず擦りつけてしまう(嫁さんは顔の油がつくから止めろとうるさいが)。

 会社から帰ってきた時もそうだ。玄関を開けた時”くり”は時々出迎えてくれるのだが、出迎えるときは何時でも体をくねらせながら、耳を後ろに倒して近寄ってくる。「よし、よしーっ」、そう言ってまた顔を擦りつけてしまう(帰宅時の私は確かに油っぽい)。

 会社でも時々”くり”を思い出すとどうしても顔を見たくなって、このHPを開いてしまう。今考えていることは、何とかライブ・カメラでケージの中にいる時の”くり”を何時でも見ることが出来る様にならないかと言う事だ。もう一台パソコンを買うようなことがあれば、間違いなくライブ・カメラを付けようと思っている(ただ、ケージの中の”くり”は大体寝ているが)。

 こんな”くり”との日々は毎日フロから出た後の一時で終了する。嫁さんが寝てから私がフロに入るまでの間、”くり”はソファアの上で丸くなって寝ている。フロに入るとき、そのままの格好で抱きかかえてケージの中に寝かせてやるのだが、フロを出て来てストレッチを始めると、”くり”はその日最後の「出してくれコール」を始める。

 これを無視していると”くり”はあきらめて寝るのだが、何てことは無い、私が出したくなっちゃう。ケージから出て来た”くり”は、私のストレッチを邪魔した後は、何をするのでもなくあぐらの中で丸くなっている。そんな”くり”のアゴの横を掻いてあげたり、頭を撫でてあげたりして気持ち良さそうな姿のを見てから私はベッドに入る。

 ”くり”の豊かな表情に私はすっかりメロメロになってしまった。こんなにチワワが可愛いとは思っても見なかった。

【2002.3.16】 散歩
 ”くり”は散歩が大好きだ。ワクチンを終えて、最初に散歩に出たのは12月の中旬頃。嫁さんに抱っこしてもらいながら近所を一回りした。その後、徐々に慣れて、散歩が大好きになった。

 最初の散歩は寒くなってきた頃で服を着せようとしたのだが、これを嫌がって一苦労だった。それが最近では、服を着せてもらうと散歩に行けるということが分かったのか、素直に服を着る。

 服を着た”くり”は、外に出れば、嫁さんの足にまとわりつくように歩く(おかげで”くり”は何回か嫁さんに足やシッポを踏まれている)。そして、何時頃からか(散歩をし始めて間もなくだったと思うが)”くり”は走り出す事を覚えてしまった。

 最近ではこちらが走る仕草を見せたり、「”くり”走る?」と言ったりすると、耳を後ろに寝かせ”くり”は勢いよく走り始める。これがまた速いし、自分からは中々止まろうとしない。

 しょうがなくこっちが止まると”くり”も仕方なさそうに止まる。ところが、たまにいきなりストップしてしまったりするものだから、リードを持ったこちらはたまったものではない(これって、シツケが出来ていないってこと?)。

 3月に入って藤枝市の蓮華寺公園に行った時だ。公園の奥にあるちょっとした野外ステージの前に30メートル四方位の芝生の広場がある。ここで、延びるリードを使って、呼んだら来るか試してみようということになった。

 早速、4メートル程のリードを延ばして、嫁さんと私が呼ぶと”くり”は呼ばれた方に嬉しそうに跳んで来るではないか。「おおーっ、来るじゃん、来るじゃん、よしよし」なんて言いながら喜んでいた。そして、試しにリードを離してみようということになった。

 「ひょっとして捕まらなくなったら困るなあ」と思ったのだが、まあ大丈夫だろう、と思って試してみたら、”くり”はどんなに離れていても(20メートル位のものだが)呼んだ方に走ってくる。

 もう、私達は嬉しくて嬉しくて、手元にやって来た”くり”を両手で撫で回しては「よし、よし、いい子だね」と大喜びだった。ただ、一つだけちょっと頭にくることがある。それは、私のところに来て「いい子だねえ」と言おうとする前に、”くり”は嫁さんの方に向かって走り出してしまうことがよくある事だ。まあ、これは、ほとんど嫁さんと生活しているのだから仕方ないってもんか。

 そんな訳で最近では3人(?)で散歩に出掛けると、出来るだけ広くて芝生があるスペースを探す。そして一緒に走りまわるのを楽しみにしている。今日もエコパにある芝生公園に行って来た。”くり”は良く走った。そして我々は疲れた。

【2002.3.3】 シツケ
 ”くり”を飼い始めた時、ペットショップの主人からは「1週間はいくら可愛くてもケージから出さないように。出して欲しそうな素振りを見せても無視して下さい。そうすれば絶対にトイレの躾は出来ますから」と言われた。

 やっぱり家の中のそこ彼処にオシッコやらウンチやらをされたんじゃ、たまったもんじゃない。と言うことで、この言いつけは絶対に守ることにした。ところが、”くり”はほとんど寝てばかりいて、ケージから出してくれという素振りを一向に見せなかった。そして、日に3度のご飯を与え、オシッコシートをきちきちと代え、ウンチをとってやるという日々が1週間続いた(時々あるべきウンチが消えていることはあったが・・・・・)。

 そうこうして1週間も過ぎ、”くり”が初めてケージを出る日がやってきた。しかし、”くり”はケージを出ようとしない。と言うか、出ることが出来ない。ケージの高さが床から10p位あるのだが、”くり”は怖くて出ることが出来ない。嫁さんが膝を入り口の所に持っていくと、恐る恐る膝の上を通って床に降りるという日が続いた。

 外に出られるようになると、”くり”は2、3度床の上や絨毯の上でソソウをした。「なんだ、やっぱりダメじゃん」と思ったのだが、その内に自分でケージに出入り出来る様になると、トイレは完璧にケージの中で済ますようになった。

 「こいつはいいや、他の所へ出掛ける時もケージの中のトイレと同じ形のトイレを持って行けば、何処へいっても大丈夫かもしれない」、と我々は嫁さんの実家まで、オシッコの匂いのついたトイレを持ってで掛けた。すると、ちゃんとトイレの上でオシッコもウンチもするではないか。

 「やった、完璧だ」と我々は大喜びをした。しかし、喜んだのもつかの間。嫁さんの実家で一度ソソウをしたら、もう2度とトイレですることは無くなり、実家は全てがトイレとなってしまった。

 結局、”くり”が完璧にトイレが出来るのはケージのある2階だけで、1階では彼方此方にウンチを垂れてくれる(オシッコだけはかなり我慢してくれるのはありがたいが)。まっ、2階だけでも躾ができたということはよしってものか。

【2002.2.16】 うわーっ、なんて美人なんだ
 嫁さんがチワワを飼いたいと言い出したのは去年の秋だった。静岡市内のペットショップに電話をかけまくったが見つからず、焼津市のペットショップに探してもらう様にお願いしたその日の夜に”くり”は見つかった。

 「あるブリーダーさんがメスのスムースをオークションに出すが、どうですか」という電話がかかってきた。値段は少し予算をオーバーしていたが、ふたつ返事で「はい、買います」と答えてしまった。そして、約1週間後の10月6日、僕達は「どんな娘なんだろうねえ」と、期待と不安に胸に焼津に出かけた。

 ペットショップはまだ店が開いていなくて、30分位待ったが、居ても立っても居られずに、ショップの裏側の自宅にまで顔を出してしまった。ペットショップのオヤジは約束の時間を間違えていたのだ。オヤジは直ぐにブリーダーさんの所に向かい、我々は開けたばかりのペットショップの中で、可愛いフレンチブルの子供達を見ながら、チワワのお出ましを待った。

 しばらくして帰ってきたオヤジは右手に小さなカゴを提げて車から出て来た。カゴの中には小さなチワワの子供が。彼女を見た我々が同時に発した言葉は「美人じゃーん」。鼻がつんとして、ウルウルした垂れ目の美人で(一般的にチワワはお顔が詰まっている方が良いということは知らなかった)、二人はいきなり彼女にメロメロになってしまった。

 小さなダンボール箱に入れられたチワワを家まで持ってくると、彼女は疲れたのか直ぐに爆睡を始めてしまった。彼女の名前を何にしようという事になり、私はおでこが出ているから”デコ”にしようと主張。嫁さんはクリーム色の毛色から”くり”にしようと主張。

 一旦は私の主張通り”デコ”になったのだが、どうも呼び難い。2日くらいは”デコ”と呼んでいたのだが、あまりの呼び難さに”くり”と改名。彼女は晴れて”くり”という名前になった。その日以来、我が家は”くり”中心の生活になってしまった。

 私は、インコと犬の次に格下げとなってしまったのだ。トホホ。

 

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