父ちゃんの観察日記(2003)

2001年の秋、栗の季節に我が家にやって来た「くり」の日常を、
アメリカンフットボールで養った鋭い観察力(?)で追います。

【2003.12.29】 父ちゃんの食べ物を欲しがる“くり”
 どうしても分からないことがある。それは、私の食べ物は“くり”が欲しがるのに、嫁さんの食べ物には興味を示さないということ。

 たとえば、おにぎりだけでなく、家でラーメンを食べようとした時でも、私が海苔を食べようとすると、“くり”は目の色を変えて欲しがる。ところが、嫁さんが“くり”を膝の上に乗せて海苔を食べていても、欲しがったりしないらしいのだ。

 それはレタスでも同じで、夕食でおかずについたレタスを欲しがって“くり”は恨めしそうにこちらを見る。テーブルの私の前で食事を観ている時などは、隙あらば手を伸ばして(いや前足を伸ばして)レタスを奪い取ろうと、虎視眈々と狙っている。でも、嫁さんがレタスを食べる時には何も欲しがらないというのだ。

 どうしてだろう、と2人で考えていたのだが、嫁さんはこんな結論を出した。「それはね、あんたが私から餌を貰っているって“くり”は思ってるからじゃない。“くり”も私から餌を貰うから、あんたの食べ物はきっと“くり”の餌と同じだと思ってんじゃない。だって、カメの餌も、ウメの餌も“くり”は欲しがるもの」

 なるほど、言われてみれば一理ある。確かに私のご飯も“くり”の餌も嫁さんが用意する。でもなあ、幾らなんでも海苔の匂いがすれば、嫁さんが持っていようが海苔って分かるだろ。何で私の海苔ばかり貰おうとするんだろう。

 これは“くり”に聞いてみないと本当のことは分からないかもしれない。ただ、どうも“くり”は私を同等と考えている節がある。嫁さんの方が偉いと思ってもいるみたいだ。バカモノ、俺の方が“くり”より上位なんだからな。

【2003.12.20】 怪我をさせてゴメン
 嫁さんが先に行ってしまったので、“くり”は慌てて追っかけた。と、その途中、階段で“くり”は前のめりに転んでしまった。一瞬ヒヤッとしたがその後は直ぐに立ち上がって、スタコラ歩き始めた。良かった。なんとも無かったか。

 もの凄い勢いで階段を走り降り、勢い余って転んでしまった“くり”を観たときには本当にドキッとした。ひょっとして足が折れなかっただろうな。そう思った次の瞬間に何事も無かったように起き上がった“くり”を観て、私は内心ホッとした。

 この後も“くり”はいつものように散歩を続けた。そして、蓮華寺池公園の途中にあるランニング・スポットでは、いつものように1往復半のダッシュをした。

 車に戻って足の裏を拭こうとした時、今日は妙に“くり”が怒る。時々“くり”は足の裏を拭く時怒るのだが、今日はバカに怒りっぽい。どうしたのかなあと思って左の前足を見ると、親指の付け根から血が出ている。

 よく観ると親指が開いているように見える。この時、「あっ、やっぱりあの時に足を痛めたんだ。たまたま歩く時にも地面に着かない指だったからその後も平気だったけど、こりゃあ脱臼か骨折かな」と思った。

 直ぐに獣医さんに電話をして診療時間を確認する。2時までやっているというから時間は十分ある。とりあえず、ミニストップでソフトクリームを食べてから(“くり”はコーンを食べてから)獣医さんに向かった。

 診察の結果は、「親指の爪が神経のある部分が折れているから、麻酔をかけて爪を切った方が良い」とのこと。早速お願いして、約45分後に戻ってくると、“くり”の左前足には青い包帯が。

 病院に来るまでは平気だったけど、包帯を巻かれると逆に痛々しくなる。“くり”もそれまで平気だったのに、包帯をしてからは左前足を着き難くなったのか、ビッコをひいて歩くようになってしまった。

 包帯は明日の夕方には外して良いと言われた。そして、その後は爪を切ったところを消毒する程度で、爪が生えてくるのを待つだけでいいという。

 大事に至らなくて良かったと心から思う。ふとした不注意で怪我をさせてしまってゴメンな、“くり”。小さな事故で良かった。今回のことを反省して、以後は気をつけますから。

 でも、本当は今日、お風呂から逃げることが出来て、内心ホッとしてたよね、“くり”。直ったら直ぐにお風呂だからね、いい?

【2003.12.6】 散歩は嫌い?
 ここのところ“くり”は散歩に行きたがらなかったらしい。天気が悪い日が続くので少しでも運動をさせようと昨日も嫁さんは散歩に出掛けたのだが、“くり”はトロトロと後ろを嫌々ながら歩いてくる始末。

 嫁さん曰く、「ほとんど“くり”を引きずる様で、あれじゃあまるで私が“くり”を虐待しているみたいに見られてしまう」

 散歩に出かける時も、「散歩だよ」と呼ぶと“くり”は机の下に隠れてしまって出てこようとしない。それを引きずり出して散歩に出掛けるという毎日が続いていると言う。

 「じゃあ今日も行きたがらないのかなあ」と思ったのだが、私がいると様子は違う。「お出掛け?お出掛け?“くり”」と言うと、“くり”はシッポを振り振りさせながら大喜び。

 これってひょっとすると、家の近くの散歩が飽きてしまって嫌なんじゃないかなあ、と言う気がしてきた。車に乗って出掛けると楽しい所に行けるということが分かっているんだ。案の定、吉田公園に到着すると、車のドアを開ける前から“くり”は居ても立ってもいられずにバタバタしだす。

 そして、車から降ろして公園の中に降ろしてやると、さっさと自分から歩き出す。「おい、ちょっと待てよ〜」なんて言っても聞こうともしない。公園中央の道をさっさと、時に早く来いと言わんばかりに後ろを振り向きつつ、何時もお昼を食べる所にどんどんと向かって行く。

 そしておやつを食べた後は公園の芝生の上を、これまた勝手気ままに歩き出す。“くり”はひとりで遠くに行ってしまう事はないが、公園の中は自分が先導に立って歩き回る。そして我々2人の間を存分にダッシュし、私と一緒に走り、公園を大きく一周する。

 まあ、なんと現金なこと。“くり”はいつもの散歩ルートが飽きてしまっただけのことなのだ。リードを離してもらって伸び伸び散歩が出来る吉田公園(ここは人もワンコも居なくて、安心してノーリードに出来る)だったら、散歩してもいいわよ、てなもんなんだ。

 誰がこんな風に育ててしまったのかは知らないが、我がままなヤツになってしまった。今週獣医さんに行ったらまた体重が2.3kgになっていたという。“くり”のベスト体重は2.2kg。あんたねえ、散歩をサボってるとおデブになっちゃうよ。来週は天気が良いみたいだから、しっかり散歩しなさいよ。分かった?

【2003.11.16】 女心は分からん!
 “くり”は毎日のように私からボーロちゃんをひとつ貰ってから眠る。それは、私がボーロちゃんの入れ物をカラカラと振って、寝室からおびき寄せることもあれば、自分でそそくさとケージに入りボーロちゃんを待っていることもある。いずれにせよ“くり”は、ボーロちゃんを貰った後は安心して眠りに入る。

 ところが私が居ないとそうは行かない。嫁さんがケージに入れてボーロちゃんをあげた後、“くり”は直ぐにゲージから出してくれコールを始め、結局朝まで一緒に寝なければならない羽目になる。嫁さんが先に休んでいて、私が寝る前にボーロちゃんをあげた時にはすんなりと寝るくせにだ。

 どうしてだろう、と考えた。そして出た結論は、“くり”は私が居ないことをちゃんと察して、嫁さんが寂しいんじゃないかと思って、一緒に寝るんじゃないかということ。今までに何回か夜を空けたことがあるが、その時は必ず嫁さんと一緒に寝ている(ひょっとすると、“くり”は私と寝るのが嫌なのかもしれないが)。

 休みの日の朝、私が寝ていると先に起きた嫁さんが寝室のドアをそっと開ける。すると“くり”は飛んできて私のベッドに飛び乗る。そして、しばらく顔の付近で甘えた後は、さっさと嫁さんの居る部屋に戻っていく。

 “くり”は私のことをどう思っているのだろう。寝る前にボーロちゃんをくれる変なオヤジ? それでも、週末の朝位はちょっとサービスでもしようかな、ってなもんだろうか。女心はどうも分からない。

【2003.10.6】 “くり”が来て2年
 今日で“くり”は我が家にやって来て丸2年になった。来たばかりの時はちっちゃかったのに、随分と胴が伸びたもんだと思う。最初はケージから出られなかったくせに、今じゃケージに入るのは夜寝る時と用を足す時だけ。最近では夜中に起きて寝室に入れろコールをしたりする。まったく、甘えん坊になったものだ。

 最初の内はじゃれて噛んでくるのか、怒って噛んでくるのかも分からなかったが、最近では“くり”のパターンが完璧に分かるようになった。

 まず、朝起きた時はおなかが減っているからご飯を頂戴と、やたらじゃれてくる。これは猫といっしょで、妙に愛想が良い。でも朝ご飯を食べた後は、すかさず嫁さんのTシャツの中に潜り込み眠り始める。この時はもう眠たいから、ちょっかいを出さない方が良い。

 休みの日に着替えていると、今日は遊びに連れてってもらえると大喜びで部屋の中を飛び跳ねる。もう、Tシャツを着る前の裸の体にまでまとわり付いてくるものだから、思わずベッドの上で抱きしめてあげる(嫁さんは「変態かあ」と言っているが)。

 夕食を食べた後は遊んで欲しいものだから、ひものついたオモチャに噛み付いて、我々のどちらかの所にやってくる。そうして、オモチャをグイグイと押し付けて遊んでくれとせがむ。そのままにして置くと噛み付いたりしてくるから遊んであげる。これがまた中々飽きないもんだから、こっちが途中で嫌になってしまう。

 そうそう、人が新聞を読もうとすると、必ず読もうとしている記事の上に座り込み一緒に遊んでよコールをし、無視していると新聞の上で暴れだす。新聞をめくると噛み付くもんだからもうグチャグチャになってしまい、仕方無しに遊んでやったりもする。

 それから、嫁さんがお風呂から出てくると、私の腹の中で寝ていた“くり”はムクッと起き上がって飛び出し、いきなりボーロちゃんをせがむ。そしてボーロちゃんを食べた後は、しばらく嫁さんと一緒にソファアの上かベッドの上で寝ている。この時の“くり”は下手に動くと噛み付かれるから怖い。とにかく、眠たい時の“くり”と、いけないことをしてドームハウスに入っている時の“くり”は怖い。

 そして、一日の最後は毎度のことながらボーロちゃんの入れ物をカラカラカラッと振った音で起き、ケージに入ったら1つボーロちゃんをもらい、睡眠に入る。

 平日はこの間に嫁さんとの散歩と、お昼のおやつ、そして昼寝がある。休みの日には散歩とおにぎりの海苔とミニストップのソフトクリームがもれなく付いてくる。

 こんなワンパターンな毎日の暮らしだけど、“くり”のいる生活ってのは楽しい。だから、たまに“くり”を連れずに車に乗って出かけたりすると何故か寂しかったりする。おてんばで我がままで気まぐれな“くり”は、我々の生活に無くてはならないものになってしまった。

【2003.9.29】 ふて腐れ気味
 昨日の“くり”は完全にふて腐れていた。嫁さんがお風呂から出てくるといつもはボーロちゃんをねだり、部屋の中を飛び跳ねるのだが、昨日はドームハウスの中でクツのガムを抱えたまま出て来ようともしない。

 試しに、ボーロちゃんの入れ物をカラカラカラっとドームハウスの前で振ってみると、若干は反応を示すのだが、頑として出て来ない。仕方ないからボーロちゃんをドームハウスの前に置いたのだが、それでも出て来ようとはしない。しかも、こちらが“くり”を覗き込もうとすると、「ウーッ」と唸りながら眉間にしわを寄せ、牙を剥いてくる。

 こりゃあダメだ。完璧にふて腐れてしまっている。どうしてこんなにふて腐れてしまったのか。それには訳がある。実は昨日、我が家にはホシガメが2匹やって来たのだ。

 前に飼い始めたミシシッピー・ニオイ・ガメの亀蔵は、水が悪かったらしく残念なことに死んでしまった。物の本を読むと、水亀は結構水の交換を頻繁にやる必要があり、手間がかかると書いてあった。そこで、今度は陸ガメにしようということになったのだ。

 昨日は夕方から、我が家にやって来たホシガメ達の住みかを作るのに一生懸命で“くり”のことに構っていられなかった。それでも夕食の頃はそんなにご機嫌斜めではなかった。ところが、夕食後も亀の方ばかり我々夫婦が見ているのを観てか、完全にふて腐れてしまった訳だ。

 昨夜の“くり”は本当に強情で寝る前にケージに入れようとボーロちゃんの入れ物を振ってもまったく反応しない。仕方無しに、「じゃあ、勝手にそこで寝な」と言って、寝室の戸を少し開けて寝ることにした。

 そうしたら、直ぐに寝室の方にやって来てベッドに潜り込もうとする。まったく、気まぐれなヤツだ。ちょっとだけそのままにして置いてから「よし、じゃあ、寝かすか」と思ってケージの前でボーロちゃんを振ったら、すかさず“くり”はやって来てケージに入った。

 「まったく、調子いいヤツだなあ」と思って寝たのだが、しばらくして“くり”は出せ出せコールを始めた。これを始めたら“くり”は絶対にケージでは寝ない。いつもはケージで寝るのだが、ちょっと寝かせるタイミングが早すぎたり、遅すぎたりすると“くり”は出せ出せコールを始める(時々夢を観たのか、急に夜中に騒ぎ出すこともあるが)。そして、これがあった時は朝まで嫁さんのベッドの上で横になっている。

 そんな、出せ出せコールを始めてしまったものだから、昨夜は朝までベッド寝ることになった。嫁さんは夜中に寝相をチョット代えただけで、4回も噛まれたと言っていた。まあ、それでも機嫌を直してくれたのだから良しって物だろう。今日はすっかりご機嫌でいつもの“くり”に戻っていたのだから。

 今日の“くり”はしっかり走り回り、夕方貰ったブタミミを噛み疲れ、ドームハウスの中で寝ている。近づいたら、また「ウーッ」と唸った。機嫌が悪いはずは無いのだが、今日もまた昨夜と同じになりそうな悪い予感がする。やれやれ。

【2003.9.8】 減量成功
 今日、獣医さんで体重計に乗ったら“くり”は2250gに。するってえと、1ヶ月で200g体重が減ったってこと? 「やったあ、ダイエット出来たじゃん」と私達夫婦は大喜び。この後公園でおおきなウンチをしたから、実際にはもう50gくらいあダイエットできていたかもしれない(そんなことはどうでもいいか)。

 しかし、200gって言うけど体重の一割だもんね。よくダイエットできたもんだ。暑い夏の日に頑張って走ったもんな。ほんと暑かった。バテたのは父ちゃんだったもんな。

 嫁さんは「この一ヶ月お昼のクッキーをレタスに代えたし、朝と晩のご飯も3分の2くらいに減らした。散歩に行って運動した日のお昼はクッキーもあったけど」と言っていた。

 実際には晩御飯の後、骨っこを貰ったりするのだが、全体的に見ればご飯の量を減らした。そして散歩に行き、週末は走らせた。やはり、小食でしっかり運動させたのが良かったみたいだ。

 “くり”はドッグフードを代えた時もお構い無しに、もの凄い勢いであっという間に食べてしまうが、獣医さんは「それが良いんです」と言っていた。今の世の中は、飼い主がホイホイと簡単に餌やおやつを上げてしまうから、ワンコがお腹を空かさないらしい。だから、餌を良く食べないのだと。

 その点、“くり”は週末のミニストップのコーンと、嫁さんが風呂から出てきた後のボーロちゃん3つと、寝る前にケージに入って貰えるボーロちゃん1つ以外、朝、昼、晩に間食をすることが無い。その上ご飯も少ないから、大概は腹を空かしている。

 でもまあ、そういった躾のお陰で、私達が“くり”の横で食事をしている時でも、自分の番は後だということで“くり”は寝そべっていたりする。結果的にはこんな躾をしっかりしておいた方が長生きできるのかもしれない。

 さあ季節は秋。これからは運動にもってこいのシーズン。“くり”、これからも走るぞ。日本で一番アスリートなチワワになろうぜ。

【2003.8.26】 くり、2歳
 “くり”が2歳になった。家に来たばかりの頃は小さくてオドオドして心配そうだったのに、今ではもう立派な大人。自己主張の仕方から、甘え方まですっかり覚えた。

 最初の頃、私はちょっとでも噛まれるのが嫌だった。でも、“くり”はいつもきつく噛むのではなく、甘噛みもするのだということが分かり、いつの間にか噛んでくる“くり”の扱い方も覚えた。“くり”の表情を見れば、本当に噛もうとしているのか、遊びで噛もうとしているのかもわかるようになった。気をつけるのは眠たい時だけ。これはワンコも人も変わらない。眠たい時は機嫌が悪いのだ。

 我々夫婦の休みの日のスケジュールは、公園で“くり”を走らせて、ミニストップか喫茶店でアイスクリームとコーヒーを飲むというのが一般的になった。“くり”はこの辺の所をしっかりと覚えて、公園が近くなると景色で分かるらしくソワソワし出す。

 いつも行く、蓮華寺池公園や吉田公園などは、駐車場に着くなりソワソワし出すし、公園の横を通っただけでも体を伸ばし窓に顔をつけたりする。ミニストップに行けばコーンをもらえるし、フレッシュさんへ行けば、お姉さんがお菓子をくれることまで分かり、尻尾を振りまくる。まあ、賢いと言うか、お調子もんと言うか。

 それから、街で声をかけられる時、「かわいいね〜」と言われたらもの凄く愛想の良い顔をする。逆に、何時だったか何処かの小僧に「かわいくないじゃん」って言われた時は「ウ〜ッ」と声を出していた。やはり、自分が「かわいいね〜」って言われた時は、顔の表情や声の感じで分かるのだ。

 家にいるときはまったくマイペース。私達が相手せずにいるとオモチャを箱から出してきて遊んでくれと催促する。会社から帰ってきて新聞を読もうとする時は、必ず読んでいる記事のうえに座る。それを無視していると、おもちゃを顔の前まで持ってくる。

 眠くなれば眠くなったで、お腹の中に入れろと催促する。この時は前足でお腹の辺りをかく。服の中に入れてやると“くり”は体勢を整えすぐに睡眠に入る。そして、下手に動くと怒る。

 それでも、週に一度2人で居酒屋に出かける時や、嫁さんがヨガに出かける時などは、お留守番をするのだということが分かっているらしく、連れてってコールをしない。この辺、自分が連れてってもらえる時と、もらえない時をどう判断しているのか不思議に思える。ただ、物分りは良く、駄々はこねない。

 そして、帰ってきた時は、これでもかって喜んでくれる。飛び跳ねて、ブタ鳴きをして、くるくる回って。これだけ喜んでくれるとこっちも帰ってきたときに嬉しくなっちゃう。そんなこんなで、我が家は完璧に“くり”主導の生活になっている。とっても楽しい“くり”主導の生活に。

【2003.8.11】 な、なんてこと!
 昨日、蓮華寺池公園の散歩から帰ってくる途中、とんでもない事件が起きた。いつものようにミニストップでコーンを食べた“くり”はお水を飲んだ後、嫁さんの膝の上で睡眠状態に入った。

 ところが、いつもの様に静清バイパスを降り、家に帰ってくる途中で“くり”は突然元気になり、車の中で跳ね回りだした。嫁さんは、「走り足りなかったのかねえ」と言った。私は「ひょっとしてオシッコしたいんじゃない。だったらもう2,3分だから我慢しなよ」と言ったその時だった。

 「ぎゃーっ、やられた。“くり”のオシッコがパンツまでしみ込んで来た〜」と嫁さんが悲鳴を上げた。良く観ると嫁さんのズボンには大きな水がしみこんだ跡が。そう、“くり”はオシッコをしたくて仕方なかったのだ。

 ピョンピョンと跳ね始めたのは、いつも散歩の途中にオシッコする場所の辺り。“くり”はもう我慢できなくて跳ね回っていたのだ。

 オシッコをしてしまった後の“くり”はホッとした様に嫁さんの膝の上でくつろいでした。惜しかった。あと300mで家だった。もう少し我慢してくれたら良かったのに。さらに、家に着くと裏の小さな庭で、“くり”は力一杯オシッコをしていた。“くり”は“くり”なりに遠慮して小出しにしたのかもしれない。

 格言その一。いつもと違ってソワソワしたら、迷わず草むらに連れて行こう。喜びとオシッコは紙一重。ジャンジャン。

【2003.8.6】 太っちゃった!
 ここのところ“くり”を抱くとどうも重くなったような気がした。先日吉田公園へ行った時も、嫁さんは「なんだか“くり”の腰周りが太くなったような気がするけど」と言っていた。そういえば、前回フィラリアの薬を貰いに行った時は、薬だけ貰って体重を量っていなかった。もう2ヶ月になるから一度体重を量ってもらうか、ということになった。

 そして、嫁さんは一昨日、獣医さんに“くり”を連れて行った。会社にいると10時40分にメール着信の音が「ジャラーン」と事務所に響いた。開けてみるとそれは嫁さんからのメール。「ちょっと、“くり”2.45kgもあったわ!!250gも増えちゃったじゃないの。なんてこと」という文字が。

 慌てて、私は獣医さんにメールを打った。すると獣医さんは「増えたといっても150g(ん、ここで既に間違っている)ですから心配ないでしょう。かなり運動してるようなので筋肉太りですよ」というメールが返って来た。

 うーん、確かにここのところ“くり”は一回り大きくなったような気がする。決して太ったのではなく、一回り大きくなったような。しかし、嫁さん曰く「腰のところのくびれが少々無くなって来た」と。うーん、それも当たっているような。

 ここのところ、ブタ耳はかじるは、ミニストップでソフトクリームのコーンを貰うわと、確かに良く食べる。しかし、良く走っていることも確かだ。果たしてこれは太ってしまったのか、筋肉質になったのか。

 などと、2人で色々論議したのだが、少なくとも2ヶ月で1割体重が増えたということは、筋肉ばかりではないという結論に達した。そして、これを受け、8月は“くり”に夏合宿をさせようということになった。合宿は何処でやるか、そんなの当然決まっている。毎週吉田公園に行ってダッシュ、ダッシュ、ダッシュ。そして、帰りのミニストップではコーンの量を減らそう。

 それから、雨などでお散歩できなかった日のおやつはレタス。ささ身はあげない。来月の薬を貰いに行く日には、2.3kgまで体重を落とすことが目標だ。分かったわね、“くり”

【2003.7.20】 爪切り
 “くり”が家にやってきたばかりの頃、お風呂はどうしよう、爪切りはどうしよう、と悩んだ。しかし、私のフットボール仲間には獣医さんがいるという強みがあった。当然のことながら、“くり”の主治医は彼。そして、お風呂や爪切りの他にもお尻絞りまで教えてくれて、今まで全部私がやっている。

 そんな中で爪切りだけは途中で困ったことが起きた。というのも、一度うっかり深く爪を切ってしまってから、爪を切ろうとすると、“くり”は牙をむいて怒るようになってしまったのだ。“くり”は乳歯の細い牙が残っていて、これで噛まれると指に穴が開いてしまい必ずといっていいほど流血の事態となる。

 一本切ってはご機嫌を伺い、ちょっと怒り始めたらなだめてといったことを繰り返していたのだが、そんなことをしていると毎回10本全部の爪を切ることが出来ない。最後は本当に怒り出して手に負えなくなってしまうのだ。

 そんな訳で、一時期は一度に全部の爪を切ることが出来ずに困っていた。「うーん、何とか爪を切ることが出来ないか。怒らせるに切るにはどうしたら良いだろう」とずっと考えていたのだが、ある時ふっと思いついた。「そうだ、噛まれても痛くなきゃあいいんだ。フッフッフッフッ」

 私はSKIをやる。SKIの手袋ってのはかなり厚く出来ている。この手袋なら噛まれても痛くないだろう。早速試してみた。爪を切り出すと“くり”はいつものように2,3本目で怒り出して私の手を噛もうとした。私は「そーれ、噛んでみろ」ってなもんで、手袋を噛ましてみた。すると予想通り“くり”の牙は手袋の中までは届かない。

 「へっへっへっ、痛くないもんネエ。暴れたって無駄だもんネエ」といった感じで、噛もうが暴れようがお構い無しに全部の爪を切ってやった。その次の時も“くり”は少々暴れた。しかし、何回か続けているうちに観念したのか、ここのところは素直に爪を切らせるようになった。それでも、まだいきなり怒るといけないので、風呂場には爪切りと一緒にSKIの手袋が置いてある。

 SKIはいつも私一人で行くので嫁さんのヒンシュクを買っているが、今回だけはSKIの手袋が大いに役立った。SKIシーズンだけに使うのなら少々高いかもしれないが、爪切りのために使えたら手袋もオールシーズン物となり利用価値は高くなる。たまにはSKIも役に立つもんだ。

【2003.6.29】 ウンチ
 昨日の夕方、マッサージチェアのところで“くり”と遊んでいたら、いきなりお尻の穴が何となく開いたような気がした。直ぐに嫁さんに話すと「それはウンチをしたいってことだよ。いつもウンチする前にお尻の穴がピッと大きくなる」という回答が返ってきた。

 案の定“くり”はケージの中に駆け込むと、足場を固めいきなりやりだした。そして、踏ん張って、踏ん張って、立派なヤツが出てきた。

 ウンチをすると“くり”はケージを出てきてかならず、カーペットを後ろ足で蹴る。それはあたかも、したてのウンチに砂をかけるような仕草で面白い。でも、土の上でウンチをしても、決して土をかけるのではなく、全然関係ないところまで行ってから土をかくのが不思議な所だ。

 不思議な所と言えば、外でウンチをする時はこっちに顔を向けてやるのに、ケージの中では必ず我々の方にお尻を向けてやること。やっぱり自分の家の中でウンチをする時に顔を見られたら恥ずかしいのかなあ。

 そういえばちょっと前になるが、嫁さんの誕生日の日の朝、2階から降りて行き台所のカウンターから部屋の片隅をふと見ると、トイレにしゃがんだ“くり”のお尻からはウンチがニョロッと出てくる途中で、隣にしゃがみこんだ嫁さんはそれをティッシュでひっぱし出していた(前の日に“くり”は何を食べたのか、ティッシュのようなものにウンチが数珠つなぎのようになっていた)。なんとも清々しい、嫁さんの誕生日だったことだろうか。

【2003.6.6】 カラカラカラッ
 最近“くり”は嫁さんがお風呂から出てきてボーロちゃんを貰った後は、TVの前でウトウトしている嫁さんと同じ様に寝ていて、ベッドへ行くと同じ様に付いていく。そして、嫁さんの布団の中に入ったり、足元に出てきたりしながら寝ている。

 私が風呂から出てきても“くり”は一向に起きてこようとはしない。それでも今までは、寝る前に「ハウス」といえば、寝室から飛んで出てきた。しかし、最近では呼んでも出てこない。

 仕方ないからボーロちゃんの入れ物を「カラカラカラッ」と振って音を立てると、いきなりガサガサ(起き上がる音)、カタン(ベッドから飛び降りる音)、カサカサカサッ(床の上を走ってくる時に立てる音)とやって来て、ササッとハウスに入る。

 そこで、ボーロちゃんをひとつあげると、安心したかのように眠りにつく。何度かボーロちゃんをやらずにいたことがあるのだが、その時はジーッとこちらを恨めしそうに見ていたものだから、最近では必ずひとつはあげることにしている。

 さて、話は変わるが、ここのところ、朝の“くり”は機嫌が悪くてすぐにガウガウになっちゃう。朝ご飯を食べ終わり用を足した後、2階に上がってきて会社へ行く前に構ってやろうと思うのだが、どうもご機嫌が悪い。何故かなあと思ったら眠たいのだった。

 何てことは無い、嫁さんは私が会社に行った後、しばらくワイドショーのお相手をしながらTVの前でうつらうつらする。すると“くり”は嫁さんのTシャツやトレーナーの中に入って一緒に眠るのだ。

 要するに、私が2階に上がってくる前に朝ご飯を貰った“くり”は、もう既に寝る体勢になりつつあり、ご機嫌が悪くなっちゃうのだ。ひどい時は、2階に上がってきた時、既に嫁さんのシャツの中に入っていたりする。そんな訳で、朝はあまり構えなくなってしまった。

 しかし、こんなことで挫けてしまう父ちゃんではない。今朝、ふと考えた。ひょっとしたらボーロちゃんの入れ物を振るのと同じ音をさせれば“くり”は起きるかもしれない。そこで「カラカラカラッ」と言ってみた。

 嫁さんは「そんなのに引っかかるようじゃ困る」と言っていたのだが、“くり”は見事に引っかかった。慌ててシャツから飛び出して、水虫の薬を足に塗っている私の方に喜びながら飛んできた。そこでボーロちゃんを貰えないと分かると嫁さんの方にもどって行ったのだが、再び「カラカラカラッ」と言うと、また飛んできた。

 これを見た嫁さんと私は大笑い。しかしなあ、いくら食い意地が張っているといっても、口から出した「カラカラカラッ」っという音に騙されるなよな、まったく。“くり”は食べ物のためなら、地獄の底までも行ってしまうに違いない。

【2003.6.4】 結婚15周年
 今日は、観察日記というよりも、ただの日記になってしまうかもしれない。とりあえず、何か記念に書いておこうと思ってパソコンを開いた。というのも、我々夫婦は今日で結婚15周年を迎えた。

 結婚式は88年の6月4日。「はっぱ、64で覚え易い」なんて言いながらこの日に決めたのを覚えている。当日は朝まで雨が降っていたが、披露宴の頃にはすっかり晴れ上がっていたのを思い出す。

 あの頃の嫁さんはかわいかった(まだ、若かったしな)。そして、当時の私は、演歌歌手みたいだと嫁さんは言っていた(タキシードを着た姿が演歌歌手のようだったらしい)。でもまあ、そんなことはどうでも良い。とにかく、色々あったが15年も経ってしまったんだなあと思う。

 嫁さんは結婚して直ぐ病気になった。この病気は色々な後遺症を残し、嫁さんは本当に辛い思いをしてきたんではないかと思う。その間も私はフットボールを続けたし、SKIにも行っていたし、随分ひどいヤツだったかもしれない(うん、かもしれないじゃないな)。

 まあ、それでも、93年には静岡市に家を建て、嫁さんを実家の近くに住ましてあげる事が出来たのは良かったなあ、と思う。

 家を建ててすぐに、先住者だったセキセイインコのケンさんから主役の座を奪い取った小桜インコのウメがやってきた。ウメはしばらくの間、我が家の主になった。

 しかし、それでも、夜になるとウメは鳥だから寝てしまう。単身赴任や仕事の帰りを待つ間どうしても寂しいと嫁さんは言った。そして、一昨年の秋に、ついに“くり”がやってくることになった。当然のことながら今度は“くり”が主役になった。

 でも、嫁さんはウメも本当に良く可愛がっている。金魚もウパも、私を除いて全ての生き物たちは嫁さんに可愛がられている。しいたげられているのは、ゴキブリと私くらいのものか(ウソウソ)。嫁さん曰く、「あんたは文句があったら喋べるでしょ。他の子たちは喋れないんだから面倒見てあげるの当然でしょ」。まっ、当然かな。

 そんな“くり”は我が家に舞い降りた天使だと昨年の8月22日に書いたが、本当に“くり”を飼って良かったと思う。たかが、犬と最初は思った。でも、犬がこんなにも表情豊かで、一緒にいると和むものだとは思わなかった。

 最近の“くり”は眠くなるとすぐガウガウするし、少々我がままでいけない子の部分もあるが、まあ、それはそれで良いかなと思う。「たった15年の命なんだから、無理してしつけなくても良いじゃない」と嫁さんは言う。

 うん、そうだな。いつもいつも悪い子のわけではないし、眠たい時に愚図るくらいは許してやっても良いかなと思う。

 そんな訳で、結婚生活15年の内、“くり”が来てからの1年半は本当に楽しく過ごせた。“くり”にはありがとうと言ってあげたい。でも、スタイルが崩れるといけないから、おやつは余分にあげないけど。

 なんだかまとまりが無くなってしまったが、とりあえず、15周年に思ったことを書き留めておいたことで良しとしよう。

【2003.5.31】 平日の散歩
 “くり”は外出が大好きで毎日お散歩をする。ところが、どうも最近は状況が変わってきた。というのも、土曜日や日曜日に私がいると、「これは何処かに車に乗って連れてってもらえるな」と大喜びをするのだが、平日に私が会社に出かけた後のお散歩はそういう具合には行かないらしいのだ。

 嫁さんの話によると、平日は散歩に出掛けようとリードを持って「お散歩ですよ〜」と言うと、ドームハウスに飛び込むか、知らん振りを決め込んでしまう。それでも、とりあえず玄関まで連れて行くと自分から外に出て行く。

 さて、外に出たものの、今度は庭の方へ行こうとし、道路の方には出たがらない。しょうがないから、何とか10メートル位抱っこしていって道路に降ろすと、そこからはスタコラと歩き出す。

 ところが、5メートルも歩き出すと歩みが遅くなり、嫁さんの後をトボトボと付いていくようになる。嫁さんは「まるで、家畜をとさつ場に連れて行くような気分になる」と言っている。

 信号待ちでもしようものなら、やおら腰を下ろしてお股を舐め始める。また、そういう時に限って、他の人が見ていたりする。もう、恥ずかしいというか、情けない気分になるそうだ。そのくせ、帰りはリードを引っ張ってさっさと帰る。

 でも、お休みの日に車で出かける時はちょっと違う。リードを付けられるまではさすがに嫌そうなのだが、車に乗るとルンルン気分。助手席の窓から顔を出しては、外の空気に気持ち良さそうに当たっている。

 そして、平日とは違った所に着くと、もう嬉しくて嬉しくて、早く車から出せとせがむ。外へ出ると、リードをグイグイ引っ張りながら歩き出すし、芝生を見れば走り出す。お休みの日の“くり”はとっても、元気なのだ。

 そして、毎度のことながら、帰りの車の中では、全身の力を抜いて嫁さんの上で爆睡する。躾が良かったのか悪かったのかは分からないが、かなり我がままになってきたことだけは確かだ。でも、あの甘え方を見ると、許しちゃうんだよなあ〜。ま、しょうがないか。

【2003.5.13】 “くり”はやっぱり女の子
 今朝もそうだったけど、朝ご飯を食べたあと“くり”は嫁さんの膝の上でくつろいでいて、ちょっとかまおうとしても、すぐガウガウしちゃう。会社から帰ってきて体をマッサージしてあげていても、最初は気持ち良さそうにしているのだが、何がいけないのか急にガウガウしたりする。

 そのくせ、ちょっと一人ぼっちにしておいて、家に帰ってきたばかりの時は、寂しかったもんだから嬉しくてピョンピョン跳ねて喜ぶ。また、外出した時の“くり”はやたらと外面がいい。ほとんど鳴くことも無く、「私はいい子なのよ」ってな顔をしている。

 そんなお調子者の“くり”の極めつけは、お菓子が欲しくなった時の表情。大体いつも、嫁さんがお風呂から出てきてから、お座りや伏せをさせながらお菓子をやっており、嫁さんがお風呂から出てくるとお菓子の時間だということがすぐに分かる。

 嫁さんがお風呂に入っている間は、まだまだお菓子の時間じゃないと、私のお腹に入り膝の上でグーグー寝ているくせに、お風呂から出てきたのが分かると、すぐに反応する。

 そして、急に写真のような表情でこちらを見つめる。「ねえ、お菓子くれないのお〜。ちょうだいよ〜」ってな感じで瞳をウルウルさせながら、シッポを振り振りこっちを見るわけだ。さらに、“くり”は顔を舐めに来てジッと見つめる。

 そうすると私は、アイフルのお父さん状態になってしまい、「分かった。分かりましたよ。ハイハイ、お菓子あげますよ」ということになってしまうのだ。そして、お菓子を食べ終わった“くり”は何事も無かったようにまた寝てしまう(今日はクッキーモンスターにマウンティングしてるけど)。

 昔から、目の大きい女の子には弱かった。嫁さんも目は大きい。嫁さんに限らず、大きな目の子にはいつも参っていた。そのことを知ってか知らずか、都合のいい時だけ“くり”はジッと私を見つめる。

 マイペースで生活し、時に男を見つめて物をねだる。恐るべし“くり”。“くり”はやっぱり女の子だなあとつくづく思う。

【2003.5.5】 ほくろ
 昨日、実家から家に帰ってくると、“くり”鼻の頭の横に二つばかり黒い点が付いている。「また、何処かで何か付けてきたな」と思って取ろうとするのだがどうしても取れない。嫁さんに話すと「今日気がついたんだけど取れないの。ほくろが出来たんじゃない?」と答えた。

 そんなバカな。急にほくろなんかできるもんか。よし、俺が取ってやる。“くり”にガウガウ怒られながらも何とか取ろうと、黒いものを爪でかじった。でも、どうしても取れない。「そうか、やっぱりほくろかあ。ホントかなあ」と思いながら、嫁さんの実家へ向かった。

 途中、車の中でも何回か取ろうとしたのだがどうしても取れない。仕方無しにあきらめて、家に戻ってからピンセットか何かで引っ張ってやろうかと考えた。しかし、「もし血が出てきたら困るな。どうしよう」なんてことを考えているうちに実家に着いた。

 実家でもほくろの話になり、「これ、どうしても取れないんだよ」といいながら、引っ張ると何と簡単に取れるではないか。で、良く見てみると、ゴマのようなものから足が生えている。「何じゃこりゃ」って言いながら嫁さんに見せると「ギャアーッ、ダニじゃんこれ」と大騒ぎ。

 何?、ほくろだと思っていたのがダニだったのか。ようし、そんじゃ、もうひとつ取らなきゃ。えいっ。「おっ、こいつも足が生えている。ダニだ、ダニだ」と大騒ぎ。嫁さんのお父さんは「こらっ、家の中でダニを取るな」と騒ぐし、嫁さんとお母さんと私は大笑い。

 原因は午前中の散歩だったらしい。草むらに顔を突っ込んだ時にダニがくっ付いたみたいだ。しかし、ダニをほくろに間違えるか? まったく、人騒がせなのは“くり”だけかと思ったが、嫁さんも相当のもんだ。

【2003.4.24】 写真集
 今日、お昼に本屋さんに寄ったらクーちゃんの写真集があった。「これが噂の写真集か」と思って中を開いてみた。なるほど、クーちゃん、かわいい写真が一杯だ。「こりゃあ、売れるよな。でも、大したこと無いじゃん」と思った。

 確かにクーちゃんはかわいいのだ。でもかわいい写真ばかりじゃつまんない。変な顔していたり、いたずらしていたり、そんなクーちゃんもあったらいいのにと思った。

 で、すぐに「これなら“くり”の方が面白い写真集できるじゃん」なんて思ってしまうのが親バカ。でも、“くり”が家に来て以来、ずっとデジカメで写真を撮り続けているだけに、写真は一杯ある。もうすぐ、CD2枚になるから1.4GBにもなる。

 実際のところ、デジカメは失敗してもどおってことないから、やたらとシャッターを切りまくる。すると、“くり”は笑っていたり、変な顔してたり、とてもかわいかったりと、こちらが意図した以上にいい写真が撮れることがある。

 嫁さんに、この話をしたら「じゃあ、“くり”の写真集出せばいいじゃん」と言われてしまった。よおし、そんじゃあ、自費出版で“くり”の写真集でも出そうか。でも、売れないよなあ。誰か買ってくれます?

 まあ、自費出版はともかく、今まで獲り貯めた写真を編集して、アルバムでも作ってみようかと思う。きっと、作者はまともなかわいい写真だけでは物足りないタイプの人間だから、へんてこりんな写真集が出来ることだろう。GWは制作活動にでも励むとするか。

【2003.4.16】 耳栓
 9日の日に会社から帰ってくると大変なことが起こっていた。“くり”が私の耳栓を食べちゃったというのだ。耳栓は外がやかましくて眠れなかった時に、ベッドの脇のサイドテーブルの上に置いてあった。ところが、この時耳栓はケースごとベッドの下に落ちていたらしい。(これは、ベットの下のほこりの中にあった足跡で確認した)

 嫁さんの話によると、寝室から出てきた“くり”はリビングにいる嫁さんを見ようともせず、いきなりドームハウスに直行した。大体、“くり”がドームハウスに直行する時は、靴下を持ってきた時や、パンツを持ってきた時のように(当然嫁さんのパンツだが)、もって来ちゃいけないものを寝室から持ってきた時だ。

 嫁さんはおかしいと思ってボーロちゃんを出したのだが、“くり”はドームハウスから出てこない。良く見ると耳栓を噛んでいる。取り返そうとしたら、とられちゃいけないと思った“くり”は慌てて飲み込んでしまった。

 嫁さんの話では、すぐに獣医さんに電話をかけて事情を説明した所、大きさからいって3日間くらいで多分出るだろうという答えだったらしい。しかし、私はどうも心配でしょうがない。もう一度獣医さんに電話して、お父さんのほうではなく、いつも一緒にフットボールをやっている基(もとい)に確認した(親子で獣医さんです)。

 彼は、「大きさからいって多分ウンチと一緒に出るだろうけど、2,3日してウンチが詰る様だったら連れて来てください。その場合はバリウムを飲んでレントゲンをとり、詰っている場所を確認してから手術します」と言った。

 「ええっ、どうしよう。手術なんてことになったら大変だ」と、もう心配で、心配でたまらない。でも、いくら心配でも、「まっ、考えても仕方ないか」と直ぐにぐっすりと眠ってしまうのが私。

 さて、次の日。とりあえず朝のウンチは出た。でもまあ、これは詰っていることとは関係ない。“くり”は1日に大体2,3度ウンチをする。それが、問題なく2,3日続いて出れば一安心ということになる。

 会社に行って10時頃にお散歩でウンチが出たか電話をした。お昼にも。そして夕方にも。嫁さんは「あんた、私が調子悪くても、1日に3回も電話くれたことある?」と嫌味を言われてしまった。確かに、3回もしたことは無い。まあ、1,2回だ。

 そんな、こんなで心配した“くり”だったが、その後も快調にワシワシとご飯を食べ(もちろんおやつも食べ)、散歩はいつもの様にし、ウンチもしっかりしてた。ウンチは毎回のように確かめたが、そこに耳栓の姿は無かった。一方そんなことはお構いなく、“くり”は快食、快眠、元気モリモリだった。

 13日に、アメフトの練習で基に聞くと、「材質によっては消化されちゃう場合もあるし、その様子なら大丈夫だと思うよ」とのことだった。そうだよな。食欲も衰えてないし、ウンチもしまくるし、この日は東海大学海洋学部のグランドを走り回っていたもの。

 いやあ、それにしても、何でもかんでも口に入れるのは止めてくれないかな。頼むから、口に入れるのは食べ物だけにしてくれよ。ねっ、“くり”。

【2003.4.8】 安らぎ
 今日は午前中に用事があって休暇。10時少し前に家に帰ってきてから嫁さんは買い物に。雨が降り出しそうだったが、ちょっと近所を散歩しようと思って“くり”を外に出した。

 でも、“くり”は動こうとしない。仕方ないから抱きかかえて、いつも散歩の始めにオシッコをする駐車場まで連れて行った。ここで、オシッコをすれば“くり”も動くだろうと思ったのだ。しかし、“くり”はオシッコをしようともせず、スタスタと家に向かい始めた。

 「そうか、分かったよ。俺と散歩したくないんだな。フンッ」

 しょうがないから家に戻って足を拭き、2階に戻ると“くり”は嬉しそうに飛び跳ねる。何なんだこいつは。と思いながらも、嬉しそうな“くり”にこちらも嬉しくなっちゃって、スーツを着たままで“くり”としばらく遊んだ(そう、散歩にはスーツで出かけたのだ)。

 嫁さんが帰ってきた時も“くり”は大喜び。もう、腰を島倉千代子のようにくねらせている。可愛いんだなこれが。そうこうしている内に家を出る時間が来てしまった。毛がいっぱい付いてしまったスーツをブラッシングしてもらい私は会社へ。

 そして、家に帰ってきてからも、嫁さんが風呂に入っている間ひとしきり“くり”をかまった。紐のついた骨の形のクッションで遊んだり、体をマッサージしてあげたり。“くり”は気持ち良さそうな表情をする。

 “くり”のそんな表情を見ている時、自分も凄く幸せな気持ちになる。「この子は安心しきっているよな」と思うと嬉しくてたまらない。子供がいない私達だけど、この子は本当に2人を幸せにしてくれているとつくづく感じる。

 家にいる時は、いつもいつも、耳を後ろに倒し本当にリラックスしている“くり”。時々はガウガウになっちゃうけど、そんな“くり”のやさしい表情に安らぎを感じる。

【2003.3.23】 SkipDog!
 横浜にあるSkipDog。あの店はとても危険だ。レイちゃんのお父さんが立ち寄ったりしたら、店ごと買いたくなってしまうだろう。今日私は、危うく誘惑に負けるところだった。

 新横浜へ友達の奥さんのお見舞いに出かけたのだが、せっかく横浜まで行くのならと「SkipDog交通アクセスのご案内」を印刷して出掛けた。そして、お見舞いが終わって、いざSkipDogへ。

 「ご案内」の通り、地下鉄センター南駅の改札を抜け真っ直ぐに歩くと、駅前の広場が見えてきた。そしてその向こうには目標となるトイザラスが。トイザラスの少し先を右折すると高架橋が見えてきた。歩みを速めると目の前に道路が。危うく車に轢かれそうになった。

 そして、高架橋を渡ると「おおっ」見えてきた。「うん、このご案内は良く出来ている」と納得。これなら方向音痴の嫁さんでもきっと行くことが出来るだろう。

 店の前には散歩中のチワワが。そして店に入るとお客さんの連れているチワワやら、店のチワワやら、もうチワワでいっぱいだ(十数匹のチワワを見たのは初めてだ)。そしてこれがまた小さくて可愛い。ブラック・タンの子なんか思わず見とれてしまう。それにしても、みんな小さい。ここに“くり”を連れてきたら、デカ・チワワに見えてしまいそうだ。

 とまあ、そんなことはさておき、服を見るとこいつがまた可愛い。静岡ではあまり観たこと無いようなデザインの服がいっぱい並んでいる。そんな中でもSkipDogさんのHPのトップに載っていた、スカジャンのような竜の刺繍のついた服が気になった。

 お、あるある。値段を見た。7900円。ここで悩んでしまう所が貧乏症というべきか。大体、大好きなRAIDERSウェア(フットボールのウェアです)でも8000円だったりしたらちょっと悩む所。チワワの小さな服に7900円出すべきか。欲しい。でも高い。う〜ん、どうしよう。それにサイズが合わなくても交換できません、というのが気になった。というか、そんな理由を無理やりこじつけて、貧乏症の私は、この服を買うのを思いとどまった。

 他の服の中では、緑色の迷彩服が良かった。お値段も手ごろだ。でも、サイズが無い。じゃあ他のどれにしよう。なんて考え出したらもう選べなくなってしまった。そこで嫁さんに電話。「ダメだ、どれも可愛くて欲しくなってしまう。今度一緒に来て買おう」ということで、店を後にした。

 結局、場所を確かめるために行っただけの様なものだったが、嫁さんと“くり”が一緒に行ったら2時間はたっぷり時間を潰せるだろう。また、いつか一緒に行こうとは言ったものの、「これはお財布の紐をしっかり締めていかないと大変なことになるぞ」と実感したのでありました。

 しかし、可愛い服ばっかりだったなあ。

【2003.3.14】 食いしん坊
 チワワを飼っている人に聞くと、みんな結構食が細くて困っているという話が多い。一粒ずつボウルから取り出しては食べる子もいれば、しばらくしたら餌の種類を変えないと食べない子など、結構みんな苦労しているみたいだ。

 でも“くり”は違う。“くり”の辞書に好き嫌いという文字は無い。“くり”はどんな種類の餌だって、まったく関係なく食べてしまう。また、その、食べ方の早いこと早いこと。夕ご飯なんて、お座りしても腰は浮いてしまい、「よし」と言ったらもの凄い勢いで食べ始める。

 大体直径10cmくらいのボウル一面が隠れるくらいの量を1回でやっているのだが、食べ終わるまでに30秒もかからないくらいだ。食べる時の浅ましさはとても恥ずかしくて人には見せられない。

 で、食事を食べ終わると静かになるかといえば、そうでもない。「ほねっこ」をいつも貰っているものだから、これが出てくるまでピョンピョン跳ねてシッポを振りながら待っている。そして、「ほねっこ」が終わると今度はガム。こうして、ガムをかみ終わると夕食は終了し、嫁さんの股の間で睡眠に入る。この辺は、まったく規則正しい。

 ところで、“くり”は人見知りをする。今日もドッグカフェの“フレッシュ”さんへ行ったのだが、店のお姉さんが水を持って来てくれた時は、あごを撫でてくれたのにまったく愛想の無い素振り。

 しかし、お姉さんがお菓子を持って来てくれると態度は一変。その喜びようったらありゃしない。嫁さんの膝の上に立ち上がってシッポ振り振りで、もう食べたい一心。さっきまでの愛想の無さは一体なんだったの、と言いたくなる。まったく、見ていてこちらが恥ずかしくなってしまう。

 そんな訳で、食い意地が張っていて、お菓子くれたら誰にでも付いて行ってしまうタイプの嫁さんに似ているといえば似ている。やっぱり飼い主に似るものなのだろうか。でも、何はともあれ、何でも食べて元気な“くり”が一番だ。たくさん食べて、たくさん走って、たくさん寝て、いつまでも元気でいて下さいな。

【2003.2.26】 走る“くり”!
 土曜日の散歩の帰りに近くにある静岡護国神社へ行って骨董市を覗いた時のこと。護国神社では毎月最終土曜日に骨董市を開いているのだが、出かけたのがもう3時を回っていて、人もまばらで店じまいをしている所もあった。

 そんな中を歩いていくと、ある店の前で店の人が3人ほどたむろしてだべっていた。するとその中のおじさんが“くり”を見つけ、「おおっ、このチワワは太っていなくていいチワワだな。チワワはみんな太らしちまうが、この子はいいな」と誉めてくれた。私と嫁さんはすかさず「毎日散歩を1時間してるし、週末には走っているもん」と答えた。

 実はここの所、PhotoBBSに「走っている姿がいいですね」という書き込みがあったものだから嬉しくなってしまい、そのことで今日は観察日記を書き始めてしまった。

 最初に“くり”を走らせたのは確か去年の3月だったと思うが、それ以来PhotoDiaryには走っている姿がしょっちゅう載っている。ハッキリ言ってしつこいかなとも思うのだが、散歩に行って“くり”が走り始めるとどうしても写真を撮りたくなってしまう。

 走っている時の“くり”は耳を後ろに倒し、時には海坊主のような顔になりながらも、とても楽しそうだ。こんな楽しそうな顔をされると、やはり写真を撮らずにはいられない。“くり”の一番いい顔は走っている時の顔だと思うのだ。

 そして、正面から、後ろから、横からと撮り続けるうちに、ふと、ローアングルで撮ったら面白いのではないかと思い、今月に入ってローアングルの走っている姿を撮ったらこれがまた面白い。そんな訳で今はローアングルの“くり”の姿に凝りまくっている。

 “くり”の走る姿を観ていて思うのだが、やはり犬というのは屋外で運動するのが自然で一番いい。もともと野生の時は野原を走り回っていただけに、走っている時は野生に戻り、そして、生き生きしているように見える。

 それにしても、“くり”は走るのが速い。多分私が全力で走っても平気で付いて来るだろう。“くり”が自分の意思で走りたいと思っている間は、ずっと一緒に走ってやろうと思うのだが、心配なのは私の腰痛と体力だ。やっぱり、若い子には勝てん!

【2003.2.18】 ガム・コレクション
 “くり”はガムが大好き。暇になるといつでもクチャ、クチャとガムを噛んでいる。棒のタイプから靴のタイプまで、その形には拘らない。ただ、何とかして欲しいことがひとつある。それは最後までしっかりと食べ終えて欲しいということ。

 大体“くり”はガムがある程度の大きさになると、放り出して遊びだす。これを観て、もうこのガムはいらないのかな、と思ってゴミ箱に捨てると、“くり”はズーッとゴミ箱の前に座り、ゴミ箱をかじる。

 仕方ないからゴミ箱から取り出してあげると、また、噛んでみたり、投げたりしたりしだす。そのうちに新しいガムをあげるのだが、“くり”は食べかけの小さなガムの欠片を絶対に捨てない。

 そんな訳で、食べかけのガムはどんどん溜まり始め、机の下のガラスの入れ物の中には沢山の食べかけガムのコレクションがある。

 今あるコレクションは写真の通りで、靴の底が3枚に、靴の甲が2枚。そして棒が1本といったところだ。この中でも右下の靴底は歴史がある。レイちゃんに初めて会った時に、レイちゃんのおかあさんから貰ったものなのだと思うのだが、相当に古い。

 あまりに汚くなってきたので捨てようと思うのだが、“くり”はどうしても捨てさせてくれない。ただ、食べてしまうのでもなく、かといって取り上げれば怒る。よだれやカーペットのクズがくっ付いたりして、それはそれはもう、とても食べたくなるような代物ではないのだが。

 “くり”にとって、ガムの最後の欠片はライナスの毛布と同じなのかもしれない。

【2003.2.7】 規則正しい“くり”
 “くり”は毎夜9時前後になると何故かこちらの顔を見ながらソワソワする。何てことは無い。「お座り」と「伏せ」を毎日9時頃に練習していたら、9時のボーロちゃんが習慣になってしまったのだ。顎を突き出しながら、ウルウルした目であまりにもこちらを見つめるもんだから、「お菓子?」って聞くと、もう尻尾を千切れんばかりに振る。もう、こうなったら「お座り」と「伏せ」をやるしかない。

 この後“くり”は嫁さんと一緒にベッドルームに行くのだが、嫁さんのベッドで寝ていても、大概の時間になると“くり”は起きてきてハウスに入る。その時の様子は前に書いたのだが、最近は本当に規則正しい。パソコンに向かっていると、ガサッ、カサカサカサッ(床の上を“くり”が歩く音)という音が急にする。すると、「おうっ、もうそんな時間か。風呂に入らなきゃ」ってことになる。

 最近の“くり”は11時10分くらい前になると規則正しくベットルームから出てきてこちらを見つめている。そして、私が立ち上がるだけでケージの中に入り、約束のボーロちゃんをもらうとハグハグいいながら食べ、さっさと寝る。もう、時間に正確だったらありゃしない。

 昼間の“くり”はもっと凄いらしい。嫁さんがホットカーペットの上に座りお昼を食べている間中、“くり”はひざ掛けの中に潜り込んでジッとしている。嫁さんは食事の最後に梅干を食べるのだが、この梅干の入ったビンの蓋をカサッと音を立ててあけた瞬間、“くり”は飛び出してくる。

 そして、骨っ子をねだる。そう、“くり”は嫁さんの食事が梅干で終わり、その後に骨っ子を貰えることを知っていて、ビンの蓋が開くのをひざ掛けの中でジッと待っているのだ。

 なんと規則正しいヤツなんだと思いながら、よくよく考えてみると、全てのシーンは必ず食べ物に結びついている。ただ、食い意地が張ってるだけなのか。それにしても、食うことに関しては素晴らしい記憶の持ち主だ。おっと、そろそろ11時10分前になる。もう直ぐ“くり”のお出ましだ。

【2003.2.2】 ノーリード
 昨日私は大チョンボをしてしまった。いつもの蓮華寺公園に到着して散歩を始めようとしたら、お散歩グッズが無いのだ。しまった、家に忘れてしまったのだ。お散歩グッズはいつも写真に写っているリトルバードの袋で、中にはリードの他、ウンチグッズ、おやつ、水と全てのものが入っている。

 午後から東京に飲みに出掛ける私は、嫁さんから「あんたねえ、自分の遊びのことばっかり考えてるから忘れんのよお」と非難を浴びせられた。言い返す言葉もございません。

 しかし困った。そのまま家に帰って近所を散歩させようかと考えたのだが、とりあえずは芝生の所に行って走らせるか、ということになった。そこはいつもノーリードで走らせている所だから問題は無い。すると、ちょいと走った“くり”はいきなりウンチを始めた。仕方ないからティッシュで私が取って、トイレで流すことに。

 さあ、いつものように走った。これからどうしようかということになったのだが、とりあえずノーリードで公園を一周することにした。“くり”は他の犬が来ると直ぐに固まるか逃げ出してしまう。だから、向こうから犬が来ないかに注意をしながらお散歩を開始した。

 飼い主は心配で仕方ないのだが、“くり”はいつもと違うノーリードの散歩に大喜び。“くり”は大体我々の足元にちゃんと着いてくるのだが、リードが無いことをいいことに、あっちへウロウロ、こっちへウロウロ。「こら、“くり”そっち行っちゃダメ。」、「“くり”来い」なんてしょっちゅう声を出しながら、向こうから犬が来ると抱き上げ、やっと中間地点へ。

 今日、我々にはお昼があるが、“くり”にはおやつも水も無い。仕方ないから今日はサンドイッチのパンだけの部分をちぎってあげた。お握りの海苔はいつもより沢山あげた(あとで、寄ったミニストップではお持ち帰りのソフトクリームに付いてくるコーンの蓋も沢山あげた)。そして仕上げはお茶。“くり”は水よりもお茶が好きだから、とても美味しそうだった。

 お食事が終わると、さっそく散歩を再開。いつもなら1時間以上かけてゆっくりと散歩をするのだが、リードが無いだけに今日はとても気ぜわしい。車に戻ったらまだ12時前。たった、50分くらいの散歩だった。でも、“くり”はとても楽しそうだった。

 私は、チョンボをして気が動転したのか、デジカメを車の中へ忘れたまま散歩をしてしまった。おかげで、とっても楽しそうな“くり”の写真は一枚も撮れず。まったく情けない。トホホッ...。

【2003.1.31】 寒さなんかへっちゃら
 “くり”が家に来たのは一昨年の10月。そろそろ寒くなりかけてくる頃で、スムースの“くり”が風邪をひかないか心配になり、直ぐにホットカーペットを買ってきた。その頃はまだダンボールだった家の中の“くり”を見ては、「風邪ひくなよお」と心配で仕方なかった。

 あれから、1年4ヶ月が過ぎたが、最近の“くり”を見ていると、スムースチワワは寒さが苦手ってのは本当なのか目を疑いたくなる。一昨日の静岡は雪が降るほどの寒さ。大体静岡市で雪が降るなんてことは年に一度あるかないかだ。

 そんな寒い日の午前中、嫁さんは“くり”を連れていつもの散歩コースに出た。この日の静岡の最高気温は4℃。恐らく午前中はもっと寒かったかもしれない。そんな中“くり”の格好は青いフリースの服を一枚着ただけ。朝の眠たいドサクサに紛れてやっとこ着せた服だ(下手に服を着せようとすると噛みつかれる事がある)。

 一方の嫁さんはマフラーも手袋もせずに出掛けたからとんでもなく寒かったらしい(そんなもん、当たり前じゃ。私は手袋してサングラスかけて、毛糸の帽子まで被って会社に出かけているというのに。おかげで会社の前で不審者と間違えられた)。

 嫁さんの顔とか手はかじかんで口も空かなくなるほど。でも“くり”はそんな寒さの中でもへいちゃら。いつものお散歩コースをスタコラ、スタコラ。家に帰ってからも“くり”は散歩が足りないのか、まったく元気。暑い時よりもよっぽど元気なくらいだった。

 ここのところ寒いから夜は服を着せようとするのだが“くり”は服を着るのを嫌がる。お散歩の時だけじゃなくて、家の中でも“くり”は服が大嫌いみたいだ。胴長の“くり”が服を着ていないと胴の長さが目立ちすぎるのだが、本人が着たくないのなら仕方ない。

 それでも、寒さに震えて何処にも出かけられないのよりはよっぽどいい。寒さの中でも元気に走り回る“くり”を見ているだけで楽しくなる。やっぱり犬は外を走り回らなきゃ。元気に外を走り回り、ガツガツとご飯を食べ、いいウンチをする“くり”が一番だ。

【2003.1.25】 お出掛け、お出掛け
 今日、“くり”は朝からガウガウだった。私が会社に行っている日は午前中、大体嫁さんと一緒にホットカーペットの上で寝ているのだが、今日は朝からハイテンション。なんでこんなに朝から元気なんだろうと思っていたが先週の話を聞いてら訳が分かった。

 先週、私は嫁さんと“くり”をほったらかしにしてSKIに行ってしまい、嫁さんも“くり”もかなり欲求不満がたまっていた。嫁さんの話によると、先週の土日は私がいなかったので、会社がある日と同じ様に午前中は嫁さんと一緒に寝ていたということだ。それが今日は朝から私がいる。

 私が朝からいるということは、今日は何処かに連れて行ってもらえる日だということを分かっているのだ。手に絡んできては噛むし、寝ようとするとお腹の中に入り込もうとしたり、顔を舐めに来たりする。“くり”はもう、出掛けたくて出掛けたくて仕方なかったのだ。

 さあ、それじゃあ出かけるぞ、と服を着せようとすると何故か机の下やドームハウスの中に逃げ込んでしまう。いくら寒かろうが、“くり”は服を着るのが嫌なんだ。まったく、世話の焼けるやつだ。

 車が公園に到着すれば走り回れることを分かっている“くり”は、車に乗ると直ぐに居眠りを始める。暖かい車の中で“くり”は安心して完璧に力を抜いて眠りに入る。それはまるで、走るための体力をしっかり取っておこうしているみたいだ。

 そして、公園に着き芝生を見ると途端に“くり”は走り出す。もう、とにかく走り回る。走ってる“くり”はとても楽しそうだ。2人の間を何度も全力でダッシュする。周りの人達は猛然とダッシュするチワワを見て何だかビックリした様な顔をする。そんなことにはお構いなく“くり”は走り回り、間にオシッコとウンチを済ませ、走り疲れて水をゴクゴク飲むと、やっとゆっくりとした散歩が始まる。

【2003.1.4】 待て!
 最近では、夜9時頃に毎日行う特訓で「お座り」と「伏せ」はほぼ完璧に出来るようになった。と言っても、お座りしてから直ぐにボーロちゃんをあげないと、そのまま勝手に「伏せ」に行ってしまうこともあるが。

 それともうひとつ、「お座り」から「伏せ」に行く時、私がボーロちゃんを下に動かすものだから、それに反応しているようにも見える。でもまあ、とりあえず出来るようになったから良しとしよう。

 で、ここまで出来たならもう一歩進もうということで、今度は伏せた後もう一度お座りすることも特訓している。まあ、これもボーロちゃんの動きに反応しているとも言えなくないが、段々できるようになって来たかなという感じだ。

 それから、最近は「待て」の練習もしているのだが、前にも書いたとおり、この待っている時の“くり”の様子は本当に笑える。

 最初の内“くり”は我慢してボーロちゃんを見ているのだが、途中からは絶えられなくなり、体をボーロちゃんから遠ざけようとする。でも、体がボーロちゃんとは別の方を向いても、視線だけはボーロちゃんから離すことができない。この時、“くり”の表情からは「絶対にボーロちゃんから目を離さないもんね」という決意を明らかに読み取ることが出来る。

 そこでちょっと意地をし、ボーロちゃんを顔の前に持っていくと、“くり”は必死になって、また体をボーロちゃんから背けようとする。それでもたまに目の前にボーロちゃんが来ちゃうと耐えられなくなり、ぺロッと一舐めしてしまう。

 そして、「良し」と言った時の“くり”ったら浅ましいこと、浅ましいこと。誰もとりゃあしないってのに、鼻をフガフガさせながら、呼吸する時間も惜しいかのように大急ぎで食べてしまう。そして、飲み込むか飲み込まないうちから、次のボーロちゃんに備えてお座りの体制をとろうとし始める。

 近頃は、何かゴソッと音がして食べ物かなと思うと、既にお座りをして舌なめずりをしていたりする。確かにお座りは出来るようになった。しかし、“くり”は永遠に「お座り=お菓子」なのかなあ、と思ってしまう。

 

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