父ちゃんの観察日記(2007)

2001年の秋、栗の季節に我が家にやって来た「くり」の日常を、
アメリカンフットボールで養った鋭い観察力(?)で追います。

【2007.11.1】 似たもの同士?
 3日前の夜のこと、嫁さんは“くり”を膝の間に挟み、歯を触っていた。すると、いきなりガウガウになった“くり”は嫁さんの親指を噛んだ。親指に穴の空いた嫁さんは激怒し、“くり”を蹴飛ばした。するとこの剣幕を恐れてか、“くり”はトラの穴に逃げ込んだ。

 追い打ちを掛けるようにクッキーモンスターを投げつける嫁さん。嫁さんを怒らすと怖い。とっても、とっても、ほんとう〜に怖い。

 トラの穴に入った“くり”はといえば、反省して静かにしているのではなく、ふて腐れている。いつもは9時頃になるとどこからか現れボーロちゃんを要求するのだが、この日は穴の中でピクリともしない。

 風呂から出てストレッチをしながらそっと穴の中をのぞいた。「お腹すいた?ボッボッボッ。ボーロちゃん」。いつもならこの言葉を聞いた途端にシッポをブンブン振るのだがまったく反応しない。

 じゃあ、と思って顔を近づけると、いきなりこちらに向って威嚇する。嫁さんによると、こういうのを逆ギレと言うらしい。一度へそを曲げてしまった“くり”は何を言ってもムダ。「じゃあ、おやすみ」と言って電気を消し、寝室に入った。

 で、そのまま朝まで“くり”は穴の中でふて腐れているのかというと、そんなことは無い。寝室に入ってしばらくするとゴソゴソ、カッカッカッという寝室に入ってくる音。ベットの横まで来ると、中に入れて欲しいものだから「クゥ〜ン、クゥ〜ン」と甘えた声を出す。ついさっきまでふて腐れていたというのにだ。

 こんな“くり”を見て「まるで、あんたみたいだ」と嫁さんは言った。僕は「ふて腐れると返事もしない“くり”こそ、お前にそっくりだ」とのしを付けて返す。

 気分を害すとすぐにふて腐れるくせに、あっという間にふて腐れていたことも忘れたかのように振舞う“くり”。結局のところ、“くり”は我々夫婦の性格を足して2で割ったような性格になってしまった。別に、教育したわけでもないのに。

【2007.6.8】 夜のお仕事
 風呂から出てくると、マッサージチェアで寝ていることもあれば、トラの穴に入っている時もある。寝室で僕のベットの上でとぐろを巻いていることもあれば、嫁さんのベッドに潜り込んでいることもある。

 12時頃に僕はいつもベットに入る。その時、既に寝室にいたり、すぐに寝室にやってくる時はほとんど問題ない。しかし、中々寝室に来ない時の“くり”は厄介だ。何が厄介かって?

 しばらくして、ウトウトっとした頃、“くり”はオシッコを始める。まあ、この時は大した音はしないから大体気付かない。オシッコをした後にしばらくすると、ガッガッガッガッっという音がする。おっと、始まった。この音にはさすがに気が付く。そう、これは“くり”がウンチをする前の儀式なのだ。

 他のワンコどうか知らないが、“くり”の場合は必ず土を掘るようにトイレのシートを掘り、その後何回転かした後にやおら始める。これは、外でやる場合も同じだ。

 ウンチをしたって、翌朝までほかって置けばいいのだが、常に喰うことしか考えていない“くり”は、すぐにウンチを取ってあげないと・・・・・ということになる。したがって、ウンチの気配がした時には、いつするのかを見計らってすぐに取りにいってやらなければならない。

 ところが、この取りに行くタイミングが難しく、うっかりもよおす前に顔を出そうものなら、途中で止めてしまう。止めてしまって朝までしなけりゃいいのだが、絶対にそんなことは無いだけに、一発で上手く済ませなければならない。

 じゃあどうするか。寝室とリビングの間の引き戸をそっと開け、腕を伸ばして電気のスイッチを入れる。この時、“くり”に絶対顔を見せてはいけない。顔を見せたら、途中で止めてしまうのだ。

 明るくなった部屋でグルグル回り事が終わるのを、引き戸の隙間からそっと伺い、ウンチがシートの上に着地した瞬間に部屋に飛び込む。サッとウンチを取り、トイレに捨てて一件落着。寝室に戻ってベットに入ると、“くり”は何も無かったようにベットに飛び乗り、僕の横に潜り込む。

 こんなことが、たまになら許せるのだが、週に2,3回はある。いや、もっとあるかな。さらに参るのは、夜中の2時とか3時にベットから抜け出して始める時。ガッガッガッガッっという音に嫁さんと僕のどちらかが気付き、引き戸のところで夜中にジッと待っている姿は、何と哀れなことだろう。

 大体、何で我々が寝てからウンチをするんだろう。もっと先にウンチをして、嫁さんのベットに入ればいいものを。あ〜あ、今夜もまたウンチを拾ってから寝るのかなあ〜。

【2007.3.4】 シーズン、真っ盛り
 “くり”は今年も規則正しくシーズンを迎えた。シーズンを迎えると嫁さんはその対応に追われる。何といっても、四六時中“くり”は嫁さんに発情し、ちょっと飛んでしまったようにも見えるウルウルした目で、嫁さんを見つめ続ける。

 傍目に見ても、この風景は普通じゃない気がする。嫁さんに熱い視線を送り、「ねえ、腰を揉んでよ。クイックイックイッてね。お願いだから」と言っているチワワが何処の世界にいるのだろうか。普通、その視線はオス達に送るんだろうが。

 じゃあ、食欲はどうかというと、これだけは別物らしい。相変わらず、目に止まらぬ速さで飯を食うのは変わらないし、一度与えたおやつは、何があろうとも死守する。ちょっとでも近づこうものなら、「ガウ〜ッ」と声を上げて牙を向けてくる。

 そのくせ、食べていない時は、ずっと、ずっと、嫁さんにベッタリとくっ付いているのだから笑える。

 今回のシーズンは、兆候が見え出したのが2月の中旬頃で、20日頃には始まった。ここ数回は出血も少なかったのだが、今回は結構、アチコチ汚してくれる。

 ただ、最初の内はいつもと変わらなかったから、もう嫁さんに対する発情も無くなったのかなと、安易に考えていた(嫁さんが)。しかし、2月の下旬からは、起きている間中、片時も嫁さんから離れない状態が続いている。

 いつもなら、朝はウメに近づくことも無いのに、ウメの顔をさすっている嫁さんの手に体を近づけ、「私の方を揉んでよ」と言うものだから、ウメにも顔を突っつかれる状態。ウメからすれば、「何しとんじゃい、この犬コロが。わしゃあ、おまえの倍以上嫁さんの肩に住みついとるんじゃわい。手を引っ込めんか、このボケが〜」ってなところかもしれない。

 シーズンはもう2週間くらいだろうか。嫁さんの右手が腱鞘炎にならないことを祈ろう。しかし、何でオスの父ちゃんに反応しないんだかね、この子は・・・・・。

 

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