父ちゃんの観察日記(2004)

2001年の秋、栗の季節に我が家にやって来た「くり」の日常を、
アメリカンフットボールで養った鋭い観察力(?)で追います。

【2004.12.12】 フライング・ボディ・アタック
 ちょっと前に体重が増えてしまったことから、嫁さんは“くり”のフードをダイエット・フードに変えた。“くり”はたくさん食べたがるけど、量を増やしても油分の少ないものにすれば、体重のコントロールが出来ると考えたわけだ。それはそれで、間違っていなかった。しかし、ダイエット・フードにしたことで、大きな問題が発生した。

 問題はウンコの回数である。ダイエット・フードは繊維質が多いものだから、まことに便のお通じが良くなる(嫁さんもダイエット・フードの方がいいかも)。ただでさえ、お通じの良い“くり”は1日に4回もウンチをするようになってしまった。

 でも、別にウンチの回数が増えることは問題ではない。問題はウンチをする時間で、どうした訳か“くり”は夜中にウンチをするようになってしまった。それまでは、僕が12時頃に寝る時にその日最後のウンチをし、あとはおやすみとなっていた。ところが、ダイエット・フードにしてからは、夜中に嫁さんのベットから抜け出して夜グソをしに行くようになってしまったのだ。

 でもまあ、それもいい。夜中にウンチをしたってどうってことは無い。しかし、問題はこのウンチをとってあげないと、“くり”はもう一度食っちまうのだ(なんで、自分の出したものを食えるのかねえ、まったく)。

 夜中に起き出してウンチをした後、後ろ足で「ガッガッガッガッ」と床をかく。そこで慌てて起きて行かないと、ウンチは“くり”の胃袋に入ってしまう。嫁さんは、この「ガッガッガッガッ」という音を聞くために耳をそばだてて、睡眠不足になってしまうほどだった。

 そんなある日、「ガッガッガッガッ」という音を聞いて嫁さんは直ぐに起きたのだが(大体僕はぐっすり寝ている)、少しタイミングが遅かった。“くり”は口をクチャクチャしている。しまった、食っちまった。

 “くり”はいつもウンチをし終わった後、ベットに入ると嫁さんの手をペロペロと舐める。ウンチを食べた舌で手を舐められちゃあかなわんと思った嫁さんは、その後“くり”が来ても絶対にベットに入られないようにブロックしていた。

 “くり”はクンクン言いながら「ベットに入れてよ〜」と寝室に来るのだが、嫁さんのブロックに遭いリビングに戻っていった。でも、またやってくる。そんなことを何回か繰り返すうちに、リビングに行ったまま来なくなった。「フッフッフッ、“くり”め、あきらめたか」と思った嫁さんの読みは浅かった。

 助走をつけて遠くから走ってきた“くり”は、ベットの手前の座布団(ベットから飛び降りた時、床で足を滑らせないように置いてある)を踏み台にジャンプ一番。仰向きに寝ていた嫁さんのみぞおちに見事着地した。嫁さんは不意打ちを喰らって咳き込む。

 “くり”はしてやったりで、嫁さんのベッドには入らず僕のベットに飛び移り、朝まで僕と一緒だったらしい。“くり”も中々したたかじゃわい。えっ、ちょっと待てよ、その日って僕の顔や手は舐めなかったっけ。そんな、そんな〜。まっ、いいっかあ〜。

 ちなみに、そんなことがあって以来ダイエット・フードの量を減らし、普通のフードにダイエット・フードを混ぜるように変えたら、ウンチの回数は減った。だが、寝る前にウンチをしない日は、未だに“くり”は夜中にウンチをする。嫁さんの寝不足はいつまで続くのだろうか。

【2004.11.12】 リラックス
 昨日の産経新聞に、「ペットも癒された〜い」というコラムが23面に載っていた。東京都江東区の犬専用保養施設「綱吉の湯」では犬のジャグジーやマッサージがあるのだという。他にも出張マッサージまであるという。

 なぜこれほどまでに「ペットの癒し」に熱が入るのかということについては、「ペットがリラックスする姿をを見ると、飼い主はほっとする。ペットとともに癒されたいという願望では」と分析している。なるほど確かにワンコの気持ち良さそうな顔を観ると、確かに楽しくなる。と、こんな記事があったと夕食後に嫁さんに話した。

 ところで、嫁さんはここのところ体調があまりよろしくない。頭も痛いといっている。それじゃあ、ワンコではなくてたまには嫁さんの肩から背中を揉んであげましょうか、ということになったのだが、そうするとさっそく現れるのが“くり”。

 嫁さんの上にまたがり、背中を揉み始めると“くり”は背中の上に乗ってジッとこっちを見つめる。「父ちゃん、私は揉んでもらえないの」とでも言わんばかりに。

 そして、手にじゃれてみたり、嫁さんのシャツの中に入ろうとしたりする。“くり”は二人の仲間に入れて欲しくてたまらないのだ。

 「あんた、邪魔すんじゃないよ」と言うのだが、なかなか言うことを聞かない。揉もうとする手にじゃれ付いて来るから、マッサージどころじゃない。

 「もう、おまえ、どけよお〜」と思って良く観ると、何故か尻尾を振っている。

 ん、8時半を回ったか。こいつボーロちゃんが欲しいのか。しゃあねえなあ、これじゃ邪魔になってマッサージどころじゃない。仕方ないからボーロちゃんをあげるか。

 ボーロちゃんを3つあげると“くり”はだいぶ静かになった。それでも、やっぱり仲間に入れて欲しいらしく、嫁さんの手を舐めている。

 そして、舐めるのをやめたら今度は眠そうに座ってこっちを観ている。それでも、だいぶ静かになった。やっと、マッサージが出来るわい。しかし、何とも幸せそうな顔をしていること。

 世の中のワンコ達はストレスがたまり、ジャグジー風呂に入ったりマッサージをしてもらってリラックスしているというのに、“くり”の顔を観ると、いつでもリラックスのしっ放しだ。それはそれで、飼い主としては嬉しいのだが、何とかもう少し締りのある顔が出来ないものだろうか。

 耳はいつでも後ろに倒れっ放しで、顔の筋肉は緩みっ放し。“くり”、おまえにはちょっと位ストレスが必要なのかもな。

【2004.10.3】 大きなトイレ
 今年の夏は暑かった。ここへ来てようやく涼しくなり、“くり”も散歩を嫌がらないようになったが、暑い夏の間は近所の散歩に行きたがらなかったらしい(週末の蓮華寺池公園や吉田公園は別だが)。

 昼間散歩をしなかった“くり”は、朝ご飯を食べると嫁さんと一緒に朝寝をむさぼり、お昼におやつを食べては(散歩しない日はレタスかキャベツだけだったらしい)ゴロゴロと寝る。そして、晩ご飯を食べた後、おもちゃを少々振り回す程度で夜を迎えるものだから体力が余っちゃっている。

 夏が来るまでは散歩も良くしていた。そして、僕が寝る前にボーロちゃんの入れ物をカラカラカラッと振ると、嫁さんのベットで一緒に寝ていた“くり”は慌てて飛び出してきてケージに入った。そこでひとつボーロちゃんをあげると“くり”は満足して寝た。

 ところが、散歩をしなくなった“くり”は体力が余っているものだから、ボーロちゃんを上げても寝ようとしない。ケージに入った後も眠ろうとはせず、「出してくれコール」を繰り返す“くり”に嫁さんは我慢できず、ケージの入り口を開けてやる。すると“くり”は嫁さんのベットの中に入り込んで安心して眠る。

 そんな状態が続いていたが、週末に公園で走り回った日はさすがに疲れるのか、ボーロちゃん1個で“くり”はケージに入り静かに眠った。

 だから、夏が終わればまた“くり”も散歩をし、ケージで眠るだろうと思っていたのだが、その思いはアテネ・オリンピックの開催と共に消え去ってしまった。

 何て事はない。オリンピックを見るために、毎日僕が寝る頃に嫁さんは起き出した。するとTVの部屋にケージがあるものだから、“くり”は当然寝ていられない。半分寝ながら、半分TVを見ている嫁さんと共に、毎晩ソファアで朝まで過ごすようになった。

 そうなると、オリンピックが終わっても、嫁さんと毎日一緒に寝る癖が付いてしまった“くり”はケージで寝ようとしなくなってしまった。全ては暑い夏とオリンピックだった。

 嫁さんは、寝返りを打っては“くり”に怒られている。自分のベットだというのに。そして、“くり”のケージは単なる大きなトイレになってしまった。トホホ・・・。

【2004.9.2】 我が家の“くり”
 おやすびさんが送ってくれた“くり”の写真。この間の誕生パーティの他、今までに撮ってくれた写真をCDに入れて送ってくれたものだ。その写真を嫁さんと2人でさっそく昨日観たのだが、その中に写っている“くり”のなんと情けないこと。

 ポンチョ君やポロンちゃんは元気に、そしてレイちゃんはおすましで写っているのだが、“くり”だけは泣きそうな顔やら、嫌そうな顔が一杯ある。どうしてまあ、こんな顔ばっかりなんだろうと思ってしまう。

 PhotoDiaryに出てくる“くり”は変な顔ばっかりなんだけど、それはそれで写していて楽しい。ガウガウ怒ったり、フンフンと甘えたり、嬉しそうに走り回ったりと、本当に“くり”は色々な表情を見せてくれる。たぶん、何処のうちのワンコも家族にだけしか見せないという表情があるのだろう。

 “くり”だって花火に向かって狼のように遠吠えすることもあれば、犬の鳴き声に逆毛を立てて唸ることもある。でも、本物の“くり”を見た人は絶対にそんなこと思わないだろうな。だって、沢山の人やワンコがいる時は、いつでも壁のシミの様に僕か嫁さんにくっ付いているもの。

 “くり”がこんなに僕と嫁さんだけになついてしまったのは、生後40日で我が家にやって来て、犬社会の経験が少な過ぎたためだと思う。でも誰かに言われたことがある。他の犬になつくより、主人になついた方がいいでしょって。

 確かにそうだ。パソコンに向かっている時にフッと視線を感じて横を見ると、そこには目をウルウルさせた“くり”がいる。「どうしたの?」って聞くと、前足を膝の所にかけて、膝の上に乗せて欲しいとせがむ。そして、膝の上で気持ち良さそうに横になる。かわいいもんだ。

 家に帰ってきて2階のドアを開けるとそこには、ソファーの肘掛に顔を乗せこっちを見ている“くり”がいる。顔を近づけると“くり”も顔を伸ばしてくる。そして、僕の鼻の穴をペロッと舐める。う〜ん、かわゆい。

 朝は朝で、僕が起きると“くり”はお腹を見せ、「私もお腹すいたの。早く1階に連れてって」とせがむ。こいつは甘え方をしっかり知っている。誰が教えたという訳ではない。しかし、男を惑わすような甘え方を確かに知っている。

 それを使う先が間違っているんじゃないかな、と思うこともあるが、まあそれもいいか。“くり”は家の子だしね。

【2004.8.3】 レジャー・モード
 今年の夏は暑い。毎日35℃以上にもなると散歩も辛くなるのか、今年の夏、“くり”は散歩を嫌がった。毎日、嫁さんは“くり”を連れて散歩に出ようとするのだが、近くのオシッコ・スポットに行った後はさっさと家に帰ってきてしまうという日が続いたらしい。

 確かにそれは当たり前かもしれない。地面の上に手を当ててみるとアスファルトの表面はチンチンに熱い。我々はそれでも地面からかなり離れているからいいけれど、“くり”にとっては灼熱地獄に違いない。

 それじゃあ、休みの日も散歩をしないのかというと、休みの日は私が着替え始めると、ベットの上でピョンピョン跳ねながら「早く散歩に行こうよ〜」と甘えてくる。

 どうも、“くり”は暑いから散歩に行きたくは無いのではなく、いつものコースが嫌だけなようだ。それが証拠に、吉田公園の熱いアスファルトの上でも“くり”は嬉しそうに走り回る。“くり”の足の裏を見ると、ポーにタコが出来ているから結構暑さは平気なのかもしれない。

 じゃあ、いつもどうして散歩に行きたくないのか。それは、あちこちでワンコに会うからみたいだ。時々散歩に出ても、家の近所では曲がり角に来るたびに“くり”はビクビクしていて、ワンコに会って怖い目にあった場所には決して行きたがらないらしい。結局、家の近所は清々散歩できないということなのだ。

 その点、蓮華寺池公園や吉田公園等は広々として視界も良く、角を曲がったら「きゃーっ、ワンコ!」ってなことが無いから安心できる訳だ。

 そして、公園に散歩にいける日は私がいる日というのが“くり”は分かっている。だから、着替え始めると「今日はどこの公園? ねえっ、早く行こうよ〜」と大騒ぎになっちゃう。

 “くり”は近くをお散歩するのか、公園に連れて行ってもらえるのかがちゃんと分かっている。そして、公園に連れてもらえると分かると、ギアをレジャー・モードにしっかりと切り替える。

 “くり”のギアはルーティン・モードとレジャー・モードにしっかり分かれている。何、何っ、父ちゃんはいつでもレジャー・モードじゃないって? それは秘密だろ。

【2004.7.11】 ボーロちゃんタイム
 「ん、何か視線を感じるなあ。おっと、おまえいつの間にそこに座ってんだ。」

 「どうしたのって、何時だと思ってんのよ〜。ボーロちゃんの時間でしょ、ボーロちゃんの。」

 「そうか、もう9時か。するってえとボーロちゃんが欲しいのかな。」

 「だから〜、さっきからこんなにシッポ振ってるでしょ。早くちょうだいよお。」

 「しょうがないなあ、おまえ、時間になるとしっかり出てくるんだな。さっきまで、どっかに行ってたくせに。よし、ボーロちゃんやるか、ボーロちゃん。はい、お座り。だからあ、お座りだっての。お座りして。伏せしろなんて言ってないだろ。もう、回れまでやっちゃって〜。」

 「いいじゃないのよ〜。お座りした後は伏せで、その次が回れ。そして最後がお手でしょ。もう、右手上げてるから早く『お手』って言ってよ。」

 「まったくもう、全部やりゃあ良いってもんじゃないんだぜ。まあいいかっ。はい、ボーロちゃん。3つ食べたらお終いだよ。」

 「さあ、もう父ちゃんには用ないわ。スタコラ、スタコラ。」

 「おい、“くり”。何てヤツなんだおまえは。ボーロちゃん食べたら知らん振りかよお〜。おまえは猫かっちゅうの。」

 こんな具合の会話が父ちゃんと“くり”の間では毎日のように交わされているそうな。さらに“くり”は、父ちゃんがお風呂から出て寝るのが分かると寝室から出てきてケージの中に入る。そして、その日最後のボーロちゃんをひとつもらった“くり”は満足げに眠りに入る。おやすみ、また明日ね。

【2004.6.28】 パジャマ・バトル
 嫁さんのお風呂と前後して“くり”はいつもボーロちゃんをもらう。お座りやお手などを教えようとしてこの時間にボーロちゃんをエサに躾けていたのが習慣となってしまったのだ。そして、ボーロちゃんをもらった“くり”は安心して嫁さんと一緒に寝室に行く(最後には自分のケージで寝るのだが)。

 “くり”と嫁さんが寝た後、僕はインターネットでRAIDERSのニュースを読み、自分のHPをアップするというのが大体の日課になっている。そして、毎夜11時頃に風呂へ入るためにパジャマを取りに寝室に入る。

 パジャマは僕のベットの足元に置いてあるのだが、暗闇で目を凝らすと、そこにはほとんどの場合“くり”が丸くなって寝ている。さあ、それからが大変。僕は“くり”を起こそうという気は無いのだが、パジャマを取ろうとすると“くり”は突然ガウガウ犬に変身する。

 まあ、その怒り方といったら怖いこと、怖いこと。「そんなに怒らなくてもいいじゃん、パジャマ取るだけなんだから」と僕は思うのだが、眠りを邪魔された“くり”は親の敵のように襲い掛かってくる。

 さっとパジャマを抜き取ろうとしても、端っこを噛んで離さない。パジャマの上着を取ってもしっかりとズボンに噛み付いている。そして最後の砦はパンツで、全部取るまでに僕達は毎日バトルを繰り返す。

 たまに“くり”はベットの頭の方で寝ている時があり、そんな時は大丈夫だろうとパジャマを何の気なしに取ろうとする。すると、ご丁寧にも“くり”は飛び起きて、パジャマに飛び掛ってくる。まったく、なんてヤツなんだ。

 そんなわけで、このバトルは時に血を見ることもあり、かなり危険をはらんでいる。最近では危険を回避するために布団ごと“くり”を丸めてしまい、苦しくて飛び出したところですかさずパジャマを取るという大技も試みるようになった。そんなこんなで、既に眠りについている嫁さんはこの大騒ぎに、毎日目を覚まさないわけにはいかない。

 だったら、パジャマを事前にベットの上から別の所に移しておけばいいと思うだろう。でも、それじゃあ面白くない。やっぱり、いい気持ちで寝ている“くり”とバトルをしてパジャマを奪い取ることに意義があるのだ。さあ、今夜もパジャマ・バトルだ。覚悟しておけよ“くり”。カーン!!

【2004.6.6】 初めてのお泊り
 6月4日は我々夫婦の16回目の結婚記念日。この日に合わせて“くり”と一緒に泊まりに行こうと話していた。ただ、問題はお天気。せっかくのお泊りなのに、雨が降ったんじゃあ台無しだ。雨が降ったら横浜でも日帰りで行こうか、と言いながら直前まで宿は予約せずにいた。

 そして、前々日。4日と5日の天気が良い事を確認して、泊まりに行くことに決めた。初めてのお泊りは近場にしようということで選んだのは、西伊豆・堂ヶ島にある「シーガル」さん。

 雨ばかり降り続いた5月の日曜日に、サンタイさんでみた「ワンコと泊まれる宿」で見つけた宿で、素泊まりがあったのでここに決めた。もともとグルメじゃないし、素泊まりの方がいつもと同じ様に、食事の時も含めて“くり”と一緒に長い間いられるんじゃないかと思った。

 4時頃に宿に入った我々は、5時頃に夕食を中庭にあった「あずまや」でとって部屋に戻った。バガテル公園に行って、堂ヶ島の遊覧船に乗って、他はずっと車に乗っていた僕は少々お疲れ気味。風呂に入った後、ボクシング中継を観ていたらもう眠気が。

 9時を回ったばかりだが、“くり”も疲れているんだろうと思い我々は寝ることにした。“くり”は嫁さんのベッドに潜り込み、いつものように寝る雰囲気だ。「よしよし、大丈夫じゃん」と思ったのだが、やはり“くり”は気分が昂っていた。

 外から男の人の声が聞こえたり、何かが動く音がするたびに「ガウーッ、ウォン、ウォン」と鳴く。「こらっ、静かにしなさい」と言ってもダメ。最初の頃は時々鳴いていただけなのが、段々とちょっとした音でもすぐに鳴くようになる。こうなると、我々も寝ることは出来ない。

 部屋の電気を付けてしばらく体を撫でてやり、気持ちを落ち着かせるのだが、寝るとまた同じ様に外の音に反応する。そうこうしている内に時間は11時半を回ってしまった。「ダメだ、こりゃ。こうなったら徹夜を覚悟するか」と思ってあきらめると“くり”は静かになった。そして気がつくともう朝。

 僕と“くり”は一緒にしっかり寝ていたらしい。“くり”の泣き声で目が覚めてしまった嫁さんは、寝返りばかりでほとんど眠れなかったと言っていた。

 いつもと違う場所で一夜を過ごした“くり”は朝食をしっかり食べるのだろうか。そんな不安はすっ飛んだ。何てことは無い。腹が減ってパタパタと尻尾を振っている“くり”のおかげで目が覚めてしまったのだから。そして、いつものように“くり”は20秒くらいで朝食を終わった。

 嫁さんがバスルームに入ってコンタクトを入れている時、“くり”が妙に静かになった。「あれ、“くり”はどこ行ったのかな」と思ってTVの前に置いたトイレを観ると、そこには立派なウンチが。

 よく、初めてのところに行くと神経質なワンコは食事もとらないし、下痢もするといったようなことを聞いていたが、“くり”にはまったく関係ない話だったようだ。快食、快便。お見事!

 という訳で、“くり”の初めてのお泊りは無事に終わった。結局、これからも気にしなければならないのは、外で聞こえる物音と男の人の声だというのが分かった。実際のところ、家にいても外の話し声に向かって吼えることがあるから、これは泊りだからという訳ではない。ただ、少しだけ気分が昂ってしまうことだけはあるみたいだ。

 初めてのお泊り。シーガルさんには2匹のラブラドールがいて、犬に優しい雰囲気があった。奥さんもとっても優しい方でとても気持ちよかった。天気も良く、スペイン風の中庭を渡る風はまるでハワイの風のようだった。

 “くり”と一緒の初めての小旅行は、そんな訳でとても楽しい旅行になった。“くり”、あんたは楽しかったのかねえ。楽しかったよな。

【2004.5.23】 ホットカーペット
 20日はちょっと寒かった。私はパソコン机の足元に、座布団として敷く小さなホットカーペットを置いている。冬の間は大分お世話になったが、最近ではあまり使っていない。それでも、20日は寒かったのでTVの前でゴロリと横になりながら、ホットカーペットのスイッチを入れ、足をのっけていた。

 何の用事だったか忘れてしまったけど(お風呂だったかな)、ちょいとその場を離れ戻ってくると“くり”はしっかりとカーペットの上でくつろいでいた。

 ダラーっと横たわり、まあ、その時の“くり”の表情と言ったら、うっとりとして本当に気持ち良さそう。

 サイズもJUST“くり”サイズ。これじゃあまるで、“くり”のホットカーペットみたいだ。ベットの上といい、嫁さんや私の服の中といい、“くり”はいつでもどこでも眠り始め、気持ち良くなっちゃう。幸せなヤツ。おっと、こんなこと言うと嫁さんにまたひとこと言われそうだ。

 「あんただって、ご飯食べるとすぐに横になって眠っちゃうじゃん。あんたに言われたくは無いよね、“くり”も」って。 

【2004.4.9】 くしゃみ3回・・・・・
 ふぇっ、ふぇっ、ふぇっ、ふぇっくしょ〜ん、ふぇっくしょ〜ん、ふぇっくしょ〜ん。し、しまった。“くり”を寝かせた後、ベットに入って直ぐにでかいくしゃみを3発してしまった。大丈夫かなあ〜。

 くうん、くうん、くうん。ガタガタッ。フン、フン、フン。

 やば、やっぱり“くり”が出せ出せコールを始めた。無視しようかなあ〜。どうしようかなあ〜。しかし、起こしてしまった手前責任をとるか。もう一度ケージから出してあげてちょっと遊んでやればおとなしく眠るだろう。

 お〜、よしよし。起きちゃったか。ちょっと遊んであげるからね。すぐに寝るだよ。12時を回っているというのに、酔っぱらいのオヤジはしばらく“くり”と遊んだ。

 さあ、遊んだでしょ。“くり”、寝ようね〜。ボーロちゃんを出すと“くり”はすかさずケージに入った。ヤレヤレ、とんだことだった。2,3日前にでかいくしゃみで起きてきたこと有ったんだよなあ。忘れとったわい。さて、寝るとするか。

 うん、くうん、くうん。ガタガタッ。フン、フン、フン。

 えっ、うっそ〜。あんた寝るんじゃなかったの。2回もボーロちゃん食べといてずるい。もう、無視しちゃうから。 でも、今度は嫁さんがあきらめて“くり”をケージから出した。仕方ない。“くり”がベットの中で動き回って嫁さんは今夜眠れないだろう。すまん。

 「くしゃみ3回ルル3錠」というコマーシャルがあったが、我が家は「くしゃみ3回“くり”参上」だな。ベットに入ってからのくしゃみ厳禁! 忘れずにいよう。

【2004.3.4】 ガム・コレクションU
 “くり”のガム・コレクションは2003.2.18にアップした。あの頃はまだ6枚くらいだったガム・コレクションがどうなったか。それは見てのとおり。“くり”のガム・コレクションはとどまる所を知らない。

 くつのガムを噛めば、ひもを食べた後の部分はそのままにしてしまうし(時々思い出したように噛むが)、ブタのヒヅメは途中から手つかず。棒のガムはほとんど新品から残り数センチのものまで、千差万別(むかし、箱から引き出した棒の長さで景品が決まった、おかしのくじ引きを思い出す。…古くてわからないかな)。この間買ってきた骨も、残り3センチくらいになると残してしまう。

 そんな訳で食べかけのガムが入った箱はかなりいっぱいに近い状態。で、この箱の中身を一日に一回は全部開けさせて、一通りなめる。

 そして、その日に気に入ったガムがあれば、噛んでは、また、食べかけをコレクションにしている。嫁さん曰く、「広げるだけ広げておいて片付けないところは、あんたと一緒」だって。すいません。

 ところで、このコレクションだが年季が入っていて、右の写真の上のほうに転がっている3枚の内の2枚は、初期からのコレクション。特に右側のヤツはレイちゃんに貰ったガムで、もう2年以上噛んでは戻し、という状態が続いている。もう汚いから捨てようかと思うのだけれども、これだけは絶対に捨てさせない(ゴミ箱に捨てると、出すまでゴミ箱の前を離れない)。

 考えてみれば、嫁さんも子供の頃から持っているヤモリのゴム製のオモチャを嫁入り道具に持ってきて、未だに大切に持っている。だから、そう“くり”のことを、とやかく言えたものではない。

 いや待てよ、“くり”のこんな物持ちの良さはきっと嫁さんに似たに違いない。ははっ、きっとそうだ。そうに違いない。

【2004.1.18】 神経性胃炎?
 昨日と一昨日の朝、“くり”は食べたばかりの朝ご飯をゲロした。一昨日は会社に行く支度をしていたら、嫁さんのズボンに何かが付いている。何だかと思ったら、食べたばかりの餌がそのままの形でしっかりとくっ付いているではないか。ギョエーッと嫁さんは大声をあげ、朝から大わらわ。

 昨日は昨日で、ホットカーペットの上で寝転んでいた嫁さんが、「何だか朝からフライドポテトのような匂いがするんだけど」と言って、盛んに不思議がっていた。で、立ち上がった時に何の気なしにジーンズを見ると、昨日と同じゲロした餌がべったりと付いている。さらによく見ると、カーペットから、ひざ掛けから、そこらじゅうにゲロが付いている。「ひょえ〜っ、何てこと」とこれまた大騒ぎ。

 ちょうど昨日は友達の獣医さんの所にフットボールのビデオを届ける予定だったので、ついでに“くり”を観てもらった。診察結果は胃炎を起こしているとのこと。よく、犬が大きなものを飲み込んでしまった時になるような胃炎の一種で、“くり”のは軽いものだということだ。

 そういえば、朝方ゲロした中に、親指の先っちょくらいの大きさのデンタボーンが入っていた。“くり”はとにかく食いしん坊で、しかも良く噛まずに、飲み込める大きさになったら何でも飲んでしまう。それで、でかい固まりが胃の中に溜まってしまったのだろう。

 獣医さんは、2日間くらいはこれを食べなさい、とターキーの柔らかい缶詰を出してくれた。早速、“くり”の夕ご飯はこの美味しそうなターキーご飯になった。ところが何を思ったか“くり”はこれを食べない。あの何でも食べる“くり”がだ。我々から見たら、固いドッグフードよりも絶対旨そうなのに。

 そこで、いつものドッグフードを混ぜてやると、それだけ拾って食べる始末。仕方ないから獣医さんに相談して、いつものドッグフードの量を減らすことで対処することにした。

 今日、“くり”はいつものように元気にご飯を食べた。昼間は海苔も食べたし、ミニストップのソフトクリームのコーンも食べた。そして、吉田公園を走り回った。家に帰ってきてからは、晩ご飯もあっという間に平らげた。

 “くり”は本当に胃炎だったのだろうか。ひょっとすると、昨日は沢山のチワワ達とフレッシュさんで会う予定だったから、それを気に病んで神経性胃炎になっていたのかもしれない。まったく、こんな所まで嫁さんに似なくても良いのに。

 

inserted by FC2 system